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妄想日記(3):京都

妄想の一つの場所的中心は京都だった。(私は15年ほど前まで関西に住んでいたが、京都との関係は実際には薄い。住まいは阪神間、京都には複数の大学の非常勤講師で教えに行ったことや学会で訪れたくらい。今でも特段の思い入れはない。)だが、気付くと京都の二階建ての店にいる。一階はよく覚えていないが欧風レストラン、朝食をとりながらの会議、雑誌『思想』か何かに関する会議。二回は訪れていた。よく覚えているのは二階。和食屋だろうか、店の店主と思われる若い男は、京都学派系の哲学者のファン、具体的には誰だかわからないものの、自分でもっている本のうち、どれから読み始めたらいいかと尋ねてくるが、今はリハビリ中だからということで、後日返事をすることにして、そのための葉書をくれる。馬鹿丁寧な男なのだ。(ということは、このとき既に、自分が大怪我していることの自覚はあったわけだ。)
 二階の席に座っている私のところに、突然、多分一階で開催されていた会議から抜け出して、同級生のH君がやって来て、私の真正面に座っており、本を読んでいる。話すでもなく、暫く経ってから、タブレット・薬(多分、禁煙パッチ、当初それを見たときにはドラッグかと思う)を私の胸に貼って、一緒に階下に降りていく。(H君とは、かなり前に久しぶりに大学の喫煙所で会ったのだった。そうそう、私は、怪我をする二月程前に禁煙を始めていて、大いに苦しんだ。怪我のせいもあって、結果的に禁煙には成功したことになる。)
[次回は、病室でのかなりエロティックな妄想。但し、自分は傍観者。]

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