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妄想日記イントロ

一週間程度に亘る譫妄・妄想は凡そ次の10個程度の主題群において展開された。後で振り返って見ても、時間軸は混乱しており、以上のような順番で妄想が展開された訳ではない。
 だが、最初の妄想は、自分の居場所に関わるもの。本当は、自宅近くの大学病院に一貫して入院していたのだが、最初、自宅のマンションの6階に出来たその当の大学病院の分室=ICU(もちろん、そんなものはない)にいるものだと思い込んでいた。担当医は何故か宇都宮健児(但し、妄想時にそのように認識していたわけではない、誰かに似ているなあとは思った)。私は宇都宮健児氏に対して若干の好感はあるが、支持者ではないし、投票したこともない。宇都宮健児氏は、この妄想の初期に頻繁に出現するが、どうやら当の大学病院の院長であるらしく、また、京都学派の哲学の愛好者であるらしい。さて、驚くべきは、この分室であって、全ての壁と床がアクリルないしは硝子張り、上下の階が透けて見え、下には5階に位置する我が家への通路が見える(本当はそんな構造になっていない)。同じ階、隣室では、白人の研究者が研究室開室の準備。これ以降、この自宅マンションの階段で転んで墜ち、発見されたという自己認識(実際は違う)。
 妄想・譫妄の終わりは、はっきりと覚えている。病室の至るところにレコードのジャケットや写真が飾ってあった(そう、宇都宮健児氏は、この病院を文化センターにしようと奮闘努力しているのであった)が、病室のカーテンの上部に飾られていた複数の小さな絵もしくはジャケット、それも、ありありと見えていた複数の小さな絵もしくはジャケットが一挙に消えた瞬間がそれであった。
 これら二つの妄想を挟むようにして、次の主題の譫妄・妄想が繰り広げられた。主題だけ掲げる。

 1/目覚めたときのICUの部屋
 2/病院全体が文化センター
 3/病院の飛び地としての宿泊施設・レストラン、そして、連れ合いがレニングラード(!)に旅立つ
 4/京都の講演会・鮨屋
 5/何故かタリーズになった病室での出来事
 6/神保町界隈で開催の学会への参加
 7/電脳関係:病室の白いカーテンにネット情報などが映され、情報発信することが出来る

 これらは夢そのものではなく、目覚めているときのものが多いので、基本的には、病室がもとになった妄想。
 3と5などかなりエロチックなイメージも含まれるが、自分に生じていることではなく、特に連れ合いに生じていることを観察しているだけ。
 聞かされる夢同様、退屈なものかも知れないが、以下、これらを順番に記述していく(この項続く)。

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