歌ヲ聞キ乍樗堂一茶両吟/降雪にの巻
En écoutant la chanson......
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便ンなきわらは蜘棄に出て
雨晴の鹿子を撫るなら坂や 樗堂
初ウ五句、振られても降られても、、、、
〇
雨晴れの あめ・はれ・の、雨のち晴れのお日和に。
鹿子を か・の・こ・を、鹿子を、芭蕉に「灌仏の日に生れ逢ふ鹿の子哉」と。「を」は格助詞。
撫る なでる。(鹿革は、水はけが良く雨具にも使われていましたので)
なら坂や 奈良さか・や、奈良に向かう坂道(特段の場所ではなく、今であれば「奈良行きの電車に乗って」とでも)「や」は詠嘆。
〇
びんなき わらはくもすてに でて
あめはれの かのこをなでる ならさかや
振られても降られても、、、、行く道々、決して捨てたものじゃあないのですから。歌仙という文藝そのものが前向きで、後引くことを嫌っていましたので、、、、。
〇
俳諧に
そでかけてをらさじ鹿の袋角 園女
と。
俳書に
南都は一しほなつかしく見処のおほくてこゝろひかれければ ひと日ふた日とヾまりて かなたにめぐりこなたに往かふ 香閣処々に兀突として坊舎甍を並べしまで みなこれ此地の壮観なりしに ものに衰廃の時にあひて多くは名ばかりを千載の叢にとゞめ 只村老の口称にあるのみ
酸漿の花に文字踏む瓦かな
春日野のゆかりある社務何がしのもとにやどれば
笋に小鹿こもれり裏の山
二畳庵蘭芝『つましるし』蘭芝は、樗堂の別号でした。
〇
句に
あかつきの鹿の子に星の遥かかな 龍太
風吹くと鹿の子の瞳ものをいふ 鷹女
鹿の子の惜気なく暮れて了ひけり 月笠
など。
29.10.2023.Masafumi.
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