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仕切り直し樗堂一茶両吟/藪越やの巻

     七

 鶏喰ふ小狐をうつ         樗堂
北谷の竹葺く軒端落かゝり       ゝ

これより初折裏入り、北谷の山荘に誘う折立の一句。

     〇

北谷の 北窓の月は文人のあこがれ、其角『類柑子』にも俳文が遺されていました。

竹葺く 瀟洒な山荘の趣

軒端 張出した軒端には竹が葺かれていたのです。 

落かゝり 少しばかり傷んでいるようですが、、、。(亭主の謙遜の辞をこめて)

     〇

 にはとり
 くらふ こきつねを うつ

きたたにの
 たけふくのきば おちかゝり

初表には、それなりの緊張がつきものなのですが、歌仙裏入りともなりますと、一座する人々の膝も崩され、句の運びにも自由闊達な展開が見られるようになるのです。

     〇

文七にふまるな庭のかたつぶり   其角
元結のぬる間はかなし虫の聲
大絃はさらすもとひに落る雁

其角『類柑子』「北の窓」にはこんな句がありました。歌仙で云えば、嵐雪、百里、晋子「名月や」の三吟が残されていました。

24.8.2023.Masafumi.

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