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風早ハ兎文一茶/交流始末

     01
    Il écrit

彼は書く。それに従って、書き写して見ましょう。

     〇

  阿堂のぬしを誘ひ
 (誰が?⇒宣来大人の)
  我病後の杖を曳くに

鳶ならで時雨
      軽し病ミあがり      暁雨
 羨まし湯桁へ
       またぐ
          冬籠
  宣来大人の
  音つれを謝するに
  芳宅を移されし
  を兼寿き
  侍りて

     〇

  阿堂の主さんをお誘いして
  (宣来さんが拙宅を訪ねて来られました)
  私は、しばらく病の床にあり、ようやく杖をついて歩けるようになったところです。

  阿堂さんに
まるで鳶にでもなったかのように
 時雨るゝなかを
 軽々とお越しになって、
病みあがりの私を気遣って下さいました。    暁雨

  宣来さんに
  阿堂さんと共にお越しになり、この上もない幸せを感じています。
  聞きますれば、芳宅に移られた由、この場をお借りしてお祝い申しあげます。

誠に羨ましい限りです。
 道後の温泉へは、すぐ近くのところに、宅を得られたとか。
冬籠の時節とて、ちょうど宜しいことで、、、、だって、ひとまたぎで湯桁を歩むことができるのですから。

     〇

源氏物語に

およびをかがめて、とを、はた、みそ、よそなどかざふるさま、いよのゆげたもたどたどしかるまじうみゆ。

「空蝉」

国の物語など申すに、「湯桁はいくつ」と、問はまほしく思せど、あいなくまばゆくて、御心のうちに思し出づることもさまざまなり。

「夕顔」

と。

18.10.2023.Masafumi.

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