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歌ヲ聞キ乍樗堂一茶両吟/降雪にの巻

En écoutant la chanson......
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 みな御西派の門ならびにて
としの暮ひそかに江戸へ立れたり
 根のなき恋の星の暁            樗堂

名オ四句、前二句一茶万感の思いに、<わりなき恋>の句を付けて、サラリと受け流していたのです。

     〇

根のなき ね・の・なき、仮の世の根無し草。

恋の こひ・の、仮も本気も乞いのうち(恋に変わりがあるじゃなし)

星の ほし・の 星の流るゝ。

暁 あかつき、あかつきの君との後朝の別れ。

     〇

 みな おにしはの かどならびにて

としのくれ/ ひそかにえどへ たたれたり

 ねのなき こひの ほしの あかつき

昭和の演歌に「星影のワルツ」がありました。「別れることはつらいけど」と、唄っていましたね。

     〇

俳諧に

  嵐山の麓にやどりて
  曙河辺を吟行す
星影の花にしみ入夜明けかな    几菫      

句に

秩父の猪よ星影と冬を眠れ     兜太

がありました。

31.10.2023.Masafumi.

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