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鶴ニ乗リテ樗堂一茶両吟/初雪やの巻

     08

ほだしなる仏も人にうち呉れて
 合歓の花塚築キつる哉        一茶

初ウ二句、「合歓の花塚」とは言い得て妙、流石一茶。

     〇

合歓の ねむは夏の花。また、別義の隠語にも。

花塚 花を供養するための石塚。

築キつる哉 きづき・つる・かな。築くは、きつくの意、土石などを積み上げてつくること。つるは、完了の助動詞「つ」の連体形。かなは詠嘆。

     〇

ほだしなる ほとけもひとにうちくれて

 ねむの はなつか きづきつるかな

仏も人も、「合歓の花塚築きつる哉」と、まるで<人間宣言>のような一茶の句に感服しているのです。もっとも、これを五山文学の「三益艶詞」などで解する評者もいらっしゃるのですが、性愛の表現とて<多様であった>とみるべきでしょうね。

     〇

芭蕉に

合歓の木の葉越もいとへ星の影

句には

合歓花淋し翁と別れ古ルの越      東洋城
妻遠し合歓咲き船には艪が二本     草田男
肉の傷肌に消えゆくねむの花      真里子

など。

22.10.2023.Masafumi.

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