見出し画像

とくとくの水麦士一茶/梅の木のの巻

Berjaln-jalan, Cari angin.
     25

 しはし米かむ雨の暁
たまされて仇待したる蓬生に       一茶

名オ七句、騙し騙され、諜報は戦火の常。

     〇

たまされて 騙され・て、騙すより、わざと騙されてみるのも、兵法のひとつなのだが。

仇 あだ、かたき、敵方。

待したる またし・たる、機を失したので、相手方に防御を固めさせ、戦況は持久戦に陥ってしまった。

蓬生に よもぎふ・に、草深い荒れ野のなかで。

     〇

 しはし こめかむあめのあかつき

たまされて あだまたしたる よもぎふに

攻めの機を失ったこの戦況、もしかしたら分が悪いのかもしれない、と、そんな戦記があったかどうか、これは歌仙という文藝が醸し出した歴史絵巻の一幕だったのです。

     〇

芭蕉に

夏草や兵どもが夢の跡
むざんやな甲の下のきりぎりす

「おくの細道」所収の句がありました。

10.11.2023.Masafumi.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?