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歌ヲ聞キ乍樗堂一茶両吟/降雪にの巻
En écoutant la chanson......
18
一風情雲おく花の嬉しきは
蓑干すおとこ躑躅おり焚 樗堂
初ウ十二句、初折綴目、躑躅はどうやら琵琶湖湖畔に似合うらしい。
〇
蓑干す みの・ほす、雨具を乾かす。
おとこ 男、旅人を持成す茶店の亭主。
躑躅 つゝじ、花は春山入りの翳しにしたり、水口で農神を迎える依り代にもなっていました。
おり焚 折り・たく、木や枝を燃して、雨具を乾かしてくれているのです。
〇
ひとふぜい/ くもおくはなのうれしさは
みのほす をとこ つゝじをりたく
「雲おく」に「蓑干す」と付けたばかりでなく、初折綴目を泊舩本「野ざらし紀行」の秀句付けで〆ていたのです。即ち、芭蕉の「躑躅生けて其陰に干鱈さく女」に。
〇
改めて
昼の休らひとて旅店に腰を懸て
つゝじいけて其陰に干鱈さく女
芭蕉「野ざらし紀行」。(この句、泊舩本にはあって、画入り「甲子吟行」にはありません)
と。
〇
降雪にの巻 初ウ七句~十二句
雑 手合の薬のみ飽物おもひ 茶
月 秋 妾の指図の家建し月 堂
秋 天の川横に寝て見る水暮て ゝ
秋 露にたゞ鳴レ三井寺の鐘 茶
花 春 一風情雲おく花の嬉しきは ゝ
春 蓑干すおとこ躑躅おり焚 堂
30.10.2023.Masafumi.
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