見出し画像

謡ふ酒屋樗堂一茶/烟しての巻

    日常平語
     32

高みより丸太を転す人だかり
 言ふほどのことをかしかりけり       樗堂

名ウ三句、人のはなし、聞いてみましょうね。

     〇

言ふほどの いふ・ほど・の

こと 事、(云うだけのこと⇒あり)

をかしかりけり をかしかり・けり、「茶翁聯句集」は、形容詞「をかし」の連用形に、助動詞「けり。「樗堂俳諧集」は「おろかなりけり」。

     〇

たかみより まるたをこかす ひとだかり

 いふほどのこと をかしかりけり

よくよく聞いておりますと「誠に興味深いことですなぁ」と、一息いれて、感服していたのです。

     〇

俳諧に

聞かせ合ふ町の咄や冬の里     野破

句に

よつてきて話し聞き居る蟇     子規
藤村の初恋を聞く春炉かな     周作

などが。

19.12.2023.Masafumi.

余外ながら、諏訪湖の噺

 諏訪湖が氷結し、寒冷の夜に、湖面の氷が音をたててせり上がり、その氷上の姿から作を占う伝統がありました。
 これが、いわゆる「諏訪の御神渡り」です。
 暖冬の地ので暮らしている人々には、なかなか理解することができない風土だったように、御柱のことも、よくよく聞いてみなければ分からないことだったのかも知れませんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?