![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/119931168/rectangle_large_type_2_4b36dfcd405cd350cb834251459b1872.jpeg?width=1200)
鶴ニ乗リテ樗堂一茶両吟/初雪やの巻
32
朝寝する堺の町のうら通
ぬらくら同士の心やすさや 一茶
名ウ二句、気の合うことこそよかりけり。
〇
ぬらくら 滑滑。松翁道話に「瓢箪でなまずおさへるうその川押さへて聞けばとかくぬらくら」と。のらりくらり、妖怪に滑瓢(ぬらり・ひょう)がいました。
同士の どし・の、お互いさま。
心やすさや こゝろやすさ・や。うちとけた様、「や」は詠嘆・感動の意を表す。
〇
あさねする/ さかひのまちのうらどほり
ぬらくらどしの こゝろやすさや
朝寝にぬらくら、のんびりしたもので齷齪した気配は決して見せていないのです。そこんところが似たもの同士気が合いましてな、てな有様をドキュメントしていたのです。ここで一茶が二句続けて詠んでいました。
〇
後の代ながら
田河水泡の漫画に「のらくろ」がありました。
雑誌「少年倶楽部」でデビューした黒犬誕生に、佐藤紅緑が一枚かんでいたのだそうです。雑誌に漫画を載せることを提案していた佐藤紅緑は子規庵に出入りしていた俳人、というより「悲しくてやりきれない」の詩を書いた佐藤ハチローさんのお父上だったのです。
「のらくろ」は大人気、雑誌ばかりでなく映画にもなりました。
26.10.2023.Masafumi.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?