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謡ふ酒屋樗堂一茶/烟しての巻

    日常平語
     10

落つきの秋も涼しき別座敷
 何ともなしに只痩る露         一茶

初ウ四句、ボソっと呟く無常の絶句。

     〇

何ともなしに なんとも・なし・に、俗語が詩の詞に昇華する一瞬。

只 ただ、この語を置くことで、感性の昂りがある一点に集中する。

痩せる やせる、細る。

露 つゆ、「痩せる露」で一語、文台に描いて見せた映像のひとつ。

     〇

おちつきの あきもすずしき べつざしき

 なんとも なしに ただ やせるつゆ

静逸の一瞬をとらえて無常を読む。それも、むつかしいいことばはいりません。ただ「なんともなしに」と。これなかなか言えませんね。

     〇

露は秀歌秀句が多く、ここでは近代の句を一句。

芋の露連山影を正しうす     蛇笏

27.11.2023.Masafumi.

余外ながら

ビートたけしさんの漫才「コマネチ」
これを踏まえて、ヨウブン「イモノツユ」
そのこころは<ころころ はじけて 飛んでます>

ダメ、そんなの。「芋の露なんてみんな知らないよ、あの笑点だってやらないぞ!」
そうかなぁ、、、、、

1991 あの夏、いちばん静かな海。 A Scene at the Sea A Scene at the Sea

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