とくとくの水麦士一茶/梅の木のの巻
Berjaln-jalan, Cari angin.
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調伏のわら人形のあゆむ時
燭の影ちる大瓶の水 麦士
名オ十句、音響を消し映像だけで見せる技術。
〇
燭の ショク・の、あかり。
影 かげ、光と影の「影」
ちる 散る、「影ちる」で一語。(何があったのでしょうか)
大瓶の おお・かめ・の、「舟」と呼ばれた木を刳り抜いた容器が、瓶の普及により商家や農家にも行き届いていたのですが、大瓶は主として武家のお屋敷で使われていました。
水 みず、溜められていた水が。(ここで、句は切れていたのですが、、、)
〇
ぢょうぶくの
わらひとがたの
あゆむ とき
しょくのかげちる
おおかめの みず
表の喧騒をよそに、内では静かに時が流れていたのです。句は、ここで<何が行われていたのか>そのことにもふれていないのですから。
〇
舞台であれば、照明。
映画であれば、文法。
近代であれば、こんなところから説き起こせるのですが、なにせ寛政七年のことです。
歌仙という文藝のなかで理解するしか術がないのです。
11.11.2023.Masafumi.