見出し画像

謡ふ酒屋樗堂一茶/烟しての巻

    日常平語
     31

 だぶりだぶりと汐のみち来る
高みより丸太を転す人だかり        樗堂

名ウ一句、これより名残り裏入りです。

     〇

高みより たかみ・より、小高いところから

丸太を まるた・を、(見るからに大木です)

転す こかす

人だかり ひとだかり、大勢の見物衆もいて。

     〇

 だふりだぶり と しおのみちくる

たかみより まるたをこかす ひとだかり

寄せ来る波の高鳴りに呼応して、小高い丘の上からこかす丸太とくれば、神をも宿る諏訪の御柱でしょう。信濃と云わず、近郷に知られた七年に一度の大祭だったのです。

     〇

近代の句に

これやこの御柱立つる祭びと    秋櫻子
雪解けの水を禊の御柱        法子
山風に木遣り起りて木落し坂     良一

などが。

18.12.2023.Masafufmi.

余外ながら

東京遊学中、坪井洋文に民俗学を学んでいたころ、八ヶ岳山麓の原村で行った民俗調査につれていってもらいました。そのとき、御柱の木遣りを聞かせて頂き、これが人の声なのかと吃驚したことがありました。

一茶のふるさと、信濃町でも諏訪神社をおまつりしていました。(信濃町には「ラボランドくろひめ」があります。ラボっこだった息子は、友人と共に、ここで行われていたキャンプや研修に通っていました。)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?