見出し画像

風早ハ兎文一茶/交流始末

     3-5
  家買ふて(表六句)

 二ツ三ツ四ツ時鳥とふ
人丸の雪と詠れし花咲は        ア道

     〇

 ふたつみつよつ
 ほとゝきすとぶ

ひとまるの ゆきとよまれし はなさくは

     〇

ここで一茶、慌てず騒がず。

人丸は、柿本人麻呂。
「古今和歌集」巻六、冬歌に
 梅の花それとも見えず久方のあまぎる雪のなべてふれれば
と。

これで「表六句に、雪月花さらに時鳥が出揃いましたね。」と云ったかどうか、それは分からないのですが、膝送りの歌仙では、次句を詠む人の機転で、前句の障りをいくらか帳消しにすることもできたのです。

     〇

もとより、この手の捌きはきわめて稀なことです。唐突な「季移り」はいけませんよ。

19.10.2023.Masafumi.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?