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歯科で用いる麻酔💉

今回は歯科治療で用いる麻酔の種類について簡単にご紹介します。
麻酔は治療時の痛みを消して治療を安全に行うために絶対に必要な処置です。ただ、残念ながら注射と聞くだけで嫌がられる患者さんも時折いらっしゃいます。確かにチクッとするし、注射をされる前は少しドキドキしてしまいますが・・・
そんな麻酔ですが、歯科では主に表面麻酔、浸潤麻酔、歯根膜注射、伝達麻酔、笑気鎮静という5つの方法が用いられています。この中で特に用いられるのが表面麻酔と浸潤麻酔でどちらも局所麻酔になります。
5種類の麻酔の中で、歯を削る、歯を抜く、神経を取る治療の際に痛みを感じなくするために用いられるのが浸潤麻酔、歯根膜注射、伝達麻酔の3種類ですが、いずれも注射器を使用しての麻酔になります。中でも浸潤麻酔が最もよく用いられる麻酔の代表格になります。
麻酔を効かせたい場所の近くに注入し、骨に浸み込ませ(浸潤させ)て神経に届かせます。そのために浸潤麻酔では、「1.針を刺す時のチクッとする痛み」、「2.刺した針をさらに奥に進める痛み」、「3.麻酔薬を注入する痛み」の3つの痛みがあります。
1つ目、2つ目の痛みは医科での注射でも感じますが、3つ目は歯科特有の痛みで特徴として麻酔薬を注入する時に強く押されるような鈍い痛みを感じることがあります。これは歯を支える歯槽骨にピッタリ張り付いている歯ぐきの下に麻酔薬を注入する時に起きる圧迫痛です。一般的に歯ぐきには腕の皮膚のような伸縮性がないので起こる症状です。
伸縮性によるゆとりがないので麻酔薬の注入には強い圧が必要ですが、麻酔薬の注入と針の進入はごくゆっくりと進めます。「早く効かせてあげたい」と急いで針を進め、麻酔薬を一気に注入すると圧迫痛がより起きやすくなってしまうからです。歯科医師は圧迫痛が起きにくいように一定の圧で麻酔薬の注入に緩急が出ないように注射には細心の注意を払って行っています。
注射なのでどうしても針を刺さなければならないですが、この時のチクッという注射の痛みがどうしても苦手という方のためにいずみ中山歯科を含め多くの歯科医院で用いているのが「表面麻酔」。歯ぐきの表面に塗ったり貼ったり(いずみ中山歯科では塗るタイプを使用)する麻酔で、注射のチクッとする痛みを軽減できるそうです。医科では注射する箇所に事前に麻酔することはないそうですが、口の中に注射するということは患者様にはかなりのストレスになるとのことで歯科では針を刺す痛みへの対応策としてさらにもうひと手間かけているとのことです。また、表面麻酔を用いてグラグラしている乳歯を抜いたり、歯石を取ったりする時にも使用することがあるそうです。
歯根膜注射は局所麻酔(部分麻酔)の一種で、歯と骨を繋ぐ靭帯「歯根膜」に麻酔薬を注入します。麻酔薬が神経に到達しやすくスムーズに麻酔効果が表れる利点があります。
次に伝達麻酔。浸潤麻酔や歯根膜注射よりも広範囲に長く聞きます。親知らずの抜歯やインプラントの手術、骨が厚くて浸潤麻酔が効きにくい奥歯の治療などに用いられたりするそうです。
最後に笑気鎮静。こちらは麻酔と言っても注射ではなく鼻からの吸入よる麻酔の一種。低濃度の笑気(亜酸化窒素)と高濃度の酸素を混ぜたガスを吸うことでドキドキや緊張が和らいでリラックスして過ごせるそうです。麻酔の一種ではありますが、これだけでは鎮痛効果はないので笑気鎮静を行ってリラックスした状態で浸潤麻酔などを行います。なお、いずみ中山歯科では笑気鎮静は使用していません。
さて、ついでと言っては変ですが、麻酔を打つための注射針についてもご紹介します。浸潤麻酔、伝達麻酔、歯根膜注射を行う注射には針を用います。この針は色々な太さがあります。針の太さを表す単位は「ゲージ(G)」と呼ばれ数字が大きいほど針は細くなるそうです。
では、いずみ中山歯科で用いる針の太さはどれくらいかというと30、31ゲージを用いています。医科では採血などで用いられる針は20~22ゲージ程だそうです。20ゲージは外径0.88mmでこれでも1mm以下と細く感じますが、いずみ中山歯科で用いる30ゲージ、31ゲージはそれぞれ0.3mm、0.28mmと医科の採血で用いる針の半分以下の細さの針を使用しています。
このように歯科で用いる注射針は医科で用いる注射針よりかなり細い針を用いてできる限り痛みを感じにくくするよう努めています。
患者様に安全な治療を安心して受診していただくために大切なのが麻酔になります。チクッという痛みが苦手な方は表面麻酔を行いますので、お気軽にスタッフまでご相談ください。

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