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泡、って言いますよね?

以前、ワインの話をしていて言われたことがありました。
「泡、って言いますよね?」
ワインのお仕事をしていたり、飲食店でワインを置いている方は、スパークリングのことを「泡」と言うそうなのです。
確かに!なんでだろう?
考えてみるに、それは「シャンパン」の存在があるかもしれません。

シャンパーニュ、いわゆるシャンパンは、フランスのシャンパーニュ地方で伝統的な製法を守って造られたきめ細やかな泡を持つ特別なワインです。この製法がとても手間がかかるようなのです。

まず、白ぶどうのシャルドネに、黒ぶどうのピノ・ノワール、ピノ・ムニエをブレンドします。ぶどう果汁の糖が酵母により発酵。アルコールへと変化し、ベースのワインができます。
瓶詰めされた後、ベースワインに天然酵母と糖が添加されます。再び酵母が糖分を分解。これが「瓶内二次発酵」です。
そして、瓶詰めされたまま6ヶ月〜10年過ごします。この間、あのうっとりとする泡が造られていくのですが、造られる過程で「澱」と呼ばれる酵母の死骸がたまっていきます。この「澱」ですが、ともに熟成されることで、シャンパンに旨味を与えてくれます。この期間もノン・ミレジメ(異なる収穫年のワインをブレンド)は15ケ月以上、ミレジメ(単独年で造られたもの。ヴィンテージ表記有)で3年以上と決められています。
横に寝ていた瓶は少しずつ逆さまに立てられていき、最後に瓶の口を-20℃に冷やし、凍った澱を取り出します。
これが「シャンパーニュ製法」で、これを守って造られたシャンパン地方のスパークリングのみ「シャンパン」を名乗ることができるんだそうです。

シャンパンのグラスからまっすぐ立ち上り続ける泡と、美しい酸やミネラルは、その土壌と手間の上にあるのだとしみじみ感じます。
そんなわけで、2つを一度に言わないといけないとき、なんとなく「スパークリング」とは言いづらく、「泡」と言ってしまうのかもしれません。

次回はいわばえに置いているシャンパンについてお話ししますね。


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