クレマン・ダルザス ブリュット
先日ご案内したのはルー・デュモンのクレマン・ド・ブルゴーニュでしたが、今日はクレマン・ダルザス、アルザスのクレマンをご紹介します。ローラン・シュミットによるクレマン・ダルザス ブリュットです。
シュミット家はアルザス北部のベルグビエテン村で古くからぶどうを育てていましたが、戦後困難な時期を迎えます。ローランはこの土地の持つ個性の素晴らしさに着目し、仲間と力を合わせ、1983年「アルテンベルグ・ド・ベルビテン」をアルザスのグランクリュに加えることに成功しました。
一代で、造るワインの品質を上げ、ドメーヌの評価を高めたローランでしたが、1993年に亡くなります。
ローランの情熱を引き継いだのが、妻のアンヌ・マリーに、息子ジュリアンとブルーノ、娘のルシールでした。彼らは、今まで行われていた減農薬栽培から、2004年完全無農薬栽培に移行。さらに2019年にはより環境を尊重するビオディナミ農法へと転換しました。
明るく輝く麦わら色。白い花や、文旦、びわの実の香り。ほのかに杏仁やブリオッシュの香りも。立ち上る泡はきめ細かく、柔らかい酸味とともに豊かなミネラルが広がります。
このクレマンは、ピノ・ノワール、ピノ・ブラン、ピノ・オークセロワが3分の1ずつ使われており、隠し味として0.5%程度シャルドネがブレンドされているそうです。そのぶどうの平均樹齢は20年。シュール・リーで熟成させており、コクや旨味を感じます。
「美しい酸とミネラルのコクをなによりも大切にし、美味しい料理をさらに美味しくするワイン造りを目指しています」と話すブルーノ。乾杯はもちろん、食中酒としてもお楽しみください。
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