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NHK、Spotifyで広告が入るのはOKなのか

Spotifyで無料会員に戻ってから、音楽を聴いてる間に広告が挟まるようになったのだが、その中でSpotifyで配信されてるNHKのポッドキャストの広告があってちょっと驚いた。


NHKの人気番組「プロフェッショナル仕事の流儀」のアフター・エピソードを語るポッドキャストが、NHK制作でSpotifyで配信されている。

え、無料会員には確実に広告が入るSpotifyでNHK制作の番組配信てOKなの?ていうかそもそもその番組制作をしているNHKがSpotifyで広告出稿してる!と思ったので少し調べてみた。というのも、つい昨年の暮れにNetflixが広告ありの格安プランをスタートさせてNHKがクレームを入れたというニュースが記憶に新しかったからだ。


そして追い記事も出ている。

この記事を読む限りだと、NHK制作のコンテンツを外部で配信する場合、広告が挟まっていることそのものには問題がないという。

NHKから番組を民放や衛星放送などへの番組提供事業者に供給(番組外販)する場合、CMが入ることがなかったわけではない。
実のところNHK側も「広告が入っていること自体が問題なのではない」(NHK広報)とする。

Business Insider


なおかつ、こう捕捉もされている。

ネットフリックスの「広告つきベーシック」は、広告費を番組提供者と分け合うレベニューシェアモデル「ではない」。
広告を営業し、広告を入れ、広告収入を得るのはあくまでネットフリックス側で、番組提供者(NHKなど)は所定のコンテンツ利用料を得る形だ。
だとすると、前述の懸念は確かに「消費者から見た懸念」にあたるものの、ビジネス上問題があるわけではない。

Business Insider

確かに、民放のように広告収入でビジネスを運営しているスタイルとは違い、コンテンツ利用料を得る著作権ビジネスとしての参入だから、従来のTV番組制作とは考え方が異なっている。つまりSpotifyも同様で、途中でJ-POPの新曲プロモーションのCMが入ってもそれそのものは問題にはならない、ということなのだろう。実際にポッドキャストを聴いている途中でよく知らんJ-POPの新曲プロモーション広告が挟まったらものすごい違和感ありそうではあるが。それよりも、気になったのは↓の部分だ。

一方、民間放送局から見ると潤沢な予算を背景につくられたNHK品質のコンテンツが番組外販されていくのは「民業圧迫」と見える側面はあるだろう。放送法でルールが規定されているのはそのためなのだ。

Business Insider

このルールが設定された頃はそうだったんだろうけど、今となってはグローバルなNetflixの提示する桁外れの予算とジャパン・ローカルのNHKの予算じゃ比較にならないし、民業圧迫なんて不遜にもほどがあると笑われてしまう。


NHKは放送法のもと、インターネット事業に制限を課せられている。
公共放送として、受信料をベースに運営されているからだ。その内容はNHKインターネット活用業務実施基準として、「放送法第20条第2項第2号および第3号の業務」に定められている。

Business Insider

放送法とインターネット事業の制限に関して私は全く知識がなかったので、この記事はとても興味深かった。日本の法律が、インターネットという、世界全体でよーいどん!でスタートしたものにさえ、周回遅れになってしまう現実をまた再確認することになってしまったが。


問題の本質は結局、放送法におけるNHKの位置付けが、ネット配信以降の状況に対応できていると思えない点にある。
NHKに似た位置付けにある英BBCは、いろいろな事業者へどんどん番組外販を行なっている。NHKはそこで、今の「ネット配信は放送と別枠」というルールを維持し続けられるのだろうか。
今回の話は、「外資のルール押し付け」に矮小化される話とは、ちょっと違うように思うのだ。

Business Insider

人々のTV離れが加速する中、TVからは離れていくけど娯楽から、コンテンツから離れていくわけではない。クール・ジャパンとか、やったふりして利権発生させて政府周辺のお友達に中抜きバラマキする暇があったら、日本の公共放送であるNHKの在り方を変えるとか、他にやることあるよね自民党、という、日々感じる政府への失望感が今日もまた、より強固なものになってしまった。

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