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羊のダイアローグ 默哲


森の中・・・錆びた胸像が突然嗤い平然と問い質すのだ『お前は誰だ』

誰だって?わかりやしないそんなこと私は私それがすべてよ

『しかしだなそれがそうでもないのだよ、
 何故かと謂えば「絶対矛盾的自己同一」』

 それってひょっとしてかの有名な哲学者西田幾多郎・・・そう・・・
 そうですよね

 昔この言葉をを事あるごとに呪文のように呟いて・・・その言葉を
 ブレずに信仰の領域までその階梯をリアルに登り詰めたいなどと想う
 こともありましたね

 しかし、私は矛盾に目をつぶり現実に同化されど矛盾に気づいたが故に自死迄も考える程の狂おしい迷宮でのたうちまわって・・・・・・・
いつまで経っても、ほんとうのリアルさに徹することができないでいた
この生のリアリズムに私はほんとうに抗することができているのだろうか?

『しかし、それ故に君には喪失の代替価値が必要で、無意識に創作へと
 追いやっている自分がいるのだと想わないかい?』

緩やかなカーブを描いて、静に着地したい私に、今一度、一花を咲かせて見ろよとあなたは囁く・・・嗚呼、叫びとささやき!

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