見出し画像

現職国会議員の河井夫妻を公職選挙法違反容疑で逮捕 その波紋は・・・

河井克行前法相と妻の案里参院議員が公職選挙法違反(買収)容疑で東京地検特捜部に逮捕された。現職の国会議員が夫婦そろって逮捕されるのは前代未聞。しかも法務大臣経験者の逮捕も初めて。事件は波紋を拡げそうだ。

〇説明責任を果たさないままの逮捕
2人は票のとりまとめを依頼する趣旨でのべ96人に約2570万円を渡したとされる。河井克行容疑者は116回にわたって広島県内の地方議員や首長や関係者に94人に116回にわたって約2400万円を配っている。案里容疑者は5人に170万円を配った疑い。
額から見ると克行前法相の方がはるかに多い。東京地検特捜部は認否を明らかにしていないが、逮捕前の任意での事情聴取では2人とも買収はしていないと述べているという。ただ、2人ともきちんとした会見など行わず、国民に対する説明責任を果たしていない。
「参院選への協力依頼」ということで河井克行容疑者から受け取ったと証言している人もいる。拒否したものの金銭を受け取ったことを認め、今年4月に辞職した町長もいる。では、その資金がどこから出ているのか?が1つの焦点。
自民党本部は案里容疑者が参院選出馬にあたって1億5000万円の資金援助を行っている。これは通常の10倍と言われ、党内からも疑問が出るほど破格。これだけの金額を出す決済が降りたこと自体が不思議だ。そもそも案里容疑者の参院選出馬は広島選挙区に2人目の候補として総理官邸が送り込んだもの。自民党の広島県連は長年、前職の溝手顕正氏を支持してきた。党本部も官邸の意向を受けて2人区独占を目指すことになった。

〇「責任は痛感」に国民は納得するか
安倍総理は18日夕方の会見は「我が等の所属だった現職国会議員が逮捕されたことは大変遺憾だ」から始まった。克行容疑者については「任命した者として責任を痛感している」と述べ国民に謝罪した。総理はこれまで閣僚が辞任する時などには「任命権者としての責任」を言っている。安倍総理は克行容疑者の法相起用では「法務行政のプロ」と評価していた。その法相経験者が指揮監督してきた検察に逮捕された意味が大きい。「責任を痛感する」だけでは国民は納得できないだろう。1億5000万円という政治資金をつぎこんだ自民党本部も同じだ。

〇河井夫妻は議員辞職しない意向だが・・・
河井夫妻は自民党に離党届は出したが、議員辞職はしない意向。2人容疑を認めていないとなると、このまま議員の職にとどまるということになるのか。過去にも逮捕されても議員を約4年間続けた議員がいた。(オレンジ共済組合事件の友部達夫元参議院議員)言うまでもなく選挙というのは民主主義の根幹、そこでの現職国会議員による不正が疑われている。事件は河井夫妻の逮捕だけに終わらず大きな波紋を拡げることになりそうだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?