自分

自分は何が得意なんだろう。騒がしい教室の中でボソッと呟いた。

名前は篠岡祐太郎(しのおかゆうたろう)。手先は不器用だし、運動もできないし、勉強はそこそこだし。

「自分にもなにか才能があれば。。。」

「君は才能あるよ。ただ気付いていないだけ」そう話すのは登坂結美。

「僕は何が得意かわからないんだ。」祐太郎が返した。

「心理学がものすごく得意じゃない」結美はそういった。

「中学の勉強とは関係ないよ。しかも先生からは心理学ばっかやってないで将来の役に立つことをやれって」

「それは先生の理解がないだけ。あなたなら世界を驚かせるような心理学者になれる」

「どうしてそこまで僕の方を持つの?落ちこぼれって呼ばれてるやつの」

「バカ騒ぎしてるやつよりも学んでる人が好きなの。なんでも真剣に取り組んで成績はまあまあかもしれないけど、休み時間になると必ず臨床心理学の本を読んでいてかっこいいと思った。」

「そういうふうに認めてくれる人もいるんだ。ありがとうもっと頑張って心理学を極めるよ」

その後中学を卒業し高校も卒業してそこそこの大学に入った。臨床心理学を極めるために。


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