忘備録>日本が誇る半導体製造における独占技術

日本が誇る半導体製造における独占技術:世界をリードする匠の技

日本は、半導体製造装置や材料分野において、世界トップクラスの技術力を誇り、その中には世界シェアをほぼ独占しているものも複数存在します。これらの技術は、長年の研究開発と製造現場での改善努力によって培われたものであり、日本の半導体産業の強みを支える重要な基盤となっています。

1. 半導体製造装置

  • 露光装置:

    • 半導体製造の心臓部とも言える露光装置は、ウエハ上に回路パターンを焼き付けるための装置です。キヤノンやニコンは、この分野で世界トップクラスのシェアを誇り、特にキヤノンはi線やKrFなどの従来型露光装置で高いシェアを維持しています。また、ニコンはArF液浸露光装置で高い評価を得ています。さらに、最先端のEUV(極端紫外線)露光装置の開発も進んでおり、日本のメーカーも技術開発にしのぎを削っています。

  • 洗浄装置:

    • 半導体製造プロセスでは、ウエハ表面の微細な塵や有機物などを除去するために洗浄装置が不可欠です。東京エレクトロンやSCREENセミコンダクターソリューションズは、高精度な洗浄技術を開発し、世界市場をリードしています。特に、東京エレクトロンは、枚葉式洗浄装置で圧倒的なシェアを誇り、最先端の半導体製造に欠かせない存在となっています。

  • 検査装置:

    • ウエハやチップの欠陥を検査する装置は、歩留まり向上に不可欠です。レーザーテックやアドバンテストは、高精度な検査技術を開発し、世界トップクラスのシェアを誇ります。特に、レーザーテックは、マスクブランクス検査装置でほぼ独占状態にあり、半導体製造の品質管理に大きく貢献しています。

2. 半導体材料

  • シリコンウエハ:

    • 半導体デバイスの基板となるシリコンウエハは、その品質がデバイス性能に大きく影響します。信越化学工業やSUMCOは、高純度かつ均一なシリコンウエハを提供し、世界シェアの過半数を占めています。特に、300mmウエハでは、この2社でほぼ市場を独占しており、世界中の半導体メーカーに供給しています。

  • フォトレジスト:

    • 露光工程で回路パターンを形成するために不可欠なフォトレジストは、高感度・高解像度であることが求められます。東京応化工業やJSRは、最先端のフォトレジスト技術を開発し、世界市場をリードしています。特に、EUV露光に対応したフォトレジストは、日本のメーカーが強みを発揮しています。

  • CMPスラリー:

    • 化学機械研磨(CMP)工程で使用されるCMPスラリーは、ウエハ表面を平坦化するために不可欠な材料です。日本のメーカーは、高性能なCMPスラリーを提供し、世界トップクラスのシェアを誇ります。

3. その他

  • マスクブランクス:

    • フォトマスクの基板となるマスクブランクスは、回路パターンの転写精度に影響を与える重要な要素です。HOYAは、高品質なマスクブランクスを提供し、世界トップシェアを誇ります。特に、EUV露光に対応したマスクブランクスは、HOYAがほぼ独占状態にあり、最先端の半導体製造に欠かせない存在となっています。

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