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江戸城無血開城アンサング1

【GM】
秘術抗戦RPG 歪みのアカシック、初のセッションとなります。
参加してくださる3人には事前にハンドアウトを渡してキャラクターを作成してもらっています。
まずは今回のシナリオのトレーラー文をご紹介しましょう。

19世紀――
世界有数の巨大都市「江戸」。
幕末の動乱は極まり、150万人の生活に戦火が迫る。
敵の大将を説き伏せ、大江戸八百八町を救うは毒舌の快男児「勝 麟太郎」。
もしも――
彼がいなかったならば、江戸は焦土と化していただろう。
秘術抗戦RPG 歪みのアカシック
『江戸城無血開城アンサング』
戦いの歴史は繰り返す――

【GM】
では続いて各ハンドアウトとPCの紹介といきましょう。
共通ハンドアウトはこちら。

キミたちは東京に暮らす抵抗者だ。
幕末の英雄「勝海舟」と関わるヴィジョンを見てメモリーを得た。
予報士が大規模ヴィジョンの発生を警告。
“先生”はキミたちにリベレーターの暗躍を阻止するよう依頼した。

つまるところ、今回のキーパーソンは江戸幕府と新政府軍の全面戦争を回避した英雄、勝海舟ということです。幕末のお話ですね。
ちなみに、歴史的な言葉遣いや方言はRPの難易度を上げてしまうので現代標準語をベースに進めていきます。

また、ルールブックにリプレイを掲載するためのシナリオなのでチュートリアルミニサイズシナリオとなっています。
以上を踏まえて、個別のハンドアウトを紹介していきましょう。

【PL2】
果たして本当にミニになるのか!?

PC1ハンドアウト
シナリオメモリー:鉄蔵
キミの思い出した“記憶”は名もなき人斬りのものだ。
はっきり覚えているのはジョン万次郎を4人の刺客から守ったこと。
おぼろげながら「勝海舟」を守ったこともあるような気がする。

【GM】
PC1は幕末に合わせて初期メモリーは岡田以蔵で作成してきたんですよね。

【PL1】
ええ、そのように作成してきました。

【PL1→マモル】
名前は大野 護。
36歳の現役の警官です。
かつては何も知らぬ普通の警察官として市民の安全を守るために公務に就いていたのですが……ある日、それは終わりを告げました。
眼の前の平和な世界は悪意を持って塗りつぶされ、戦火と悲鳴が轟く世界へと変わる。
……それでも俺は、足を止める事はしなかった。
“誰かを護る”それが俺が警官という職務に就いた理由だったから。
そして、変わり果てた世界の中で、小さな女の子に殺意を持って得物を振るう“奴”を見た俺は、気が付けば己の身体を盾にし、その子を護っていた。

【GM】
相談してたバックストーリーが!

【PL2】
めっちゃ組み込んでくださっている!

【マモル】
守った……そう、思っていたが、俺は守れてなかったんだ。
小さな女の子は2人いて、俺が守れたのはひとりだけ……。
……地に伏す俺を横目に、奴は残ったひとりに殺意を向けて歩き出す。
このままじゃ、俺は誰も守れずに死ぬだけだ。
そう思った時、目の前に転がっていたのは、ひと振りの小太刀。
なぜそこに転がっていたのかも、どうして見つけたのかも分からない。
だけど、あの子を守れるのなら……。
そう思った俺はその小太刀を手に取った。
その瞬間、流れ込んで来たんだ、この小太刀の中に眠っていた岡田以蔵の記憶が。
……その後の事は、覚えていない。
ただ、次に目が覚めた時、俺と女の子が生きている事を知った。

【PL2】
生き残った女の子!

【マモル】
―――そして、幾らかの月日が過ぎて知ることになる。
この世界には“アカシックレコード”と呼ばれる地球上全ての出来事を記録している物がある事。
そしてそれを悪用して自らの望む世界を作り出そうとしている“リベレーター”と呼ばれる存在がいる事。

【GM】
世界観説明まで!

【PL3】
めっちゃ助かる!

【PL2】
大野さんパネェっす!!!

【マモル】
俺が守れなかったあの子は“ヴィジョン”が消え去る時に発生する“バックラッシュ”によって俺たち以外の記憶からは、消え去っていた。
「……だとするなら、俺は忘れる訳にはいかない。守れなかった事、残されたあの子が流した涙を……。この様な犠牲者を増やすわけにはいかない。なら、俺は……例え“人斬り”と呼ばれ、恐れられた存在の力であっても使いこなしてみせよう。もう、俺の前で誰かが泣くのは……見たくないから、な」

【PL2】
キャ~~~~~~~HO1~~~~~~~~!!!!
(うちわとサイリウムを振っている)

【PL3】
FOOOOOOOOOOOOO

【マモル】
データ的にはサンプルキャラクターであるダイヤモンドフォートレスをベースに調整したものになります。
カバーリングやダメージ軽減を持ち、タンク役として動く事になるかなーと。
こんな所ですかね? どうかよろしくお願いします~。

【GM】
バックストーリー仕上がってますね!
世界観説明やキャラデータ説明までありがとうございます!
もう敢えてGMが聞くことはないですね!

【PL3】
ないんか!!

【GM】
マモルさんがどんな生き様を見せてくれるのか、楽しみにしています!

【マモル】
「……生き様、ね。大した事は成せないだろう、それでも……誰かのために、この力を使えればいい。それによって、笑ってくれる人がいるなら、な」

【GM】
まさに主人公!
となると、HO2はヒロインなのか!?

PC2ハンドアウト
シナリオメモリー:福沢 諭吉
キミの思い出した“記憶”は日本人なら誰もが知る偉人のものだ。
はっきり覚えているのはアメリカへの航海の途上、「勝海舟」に対して不満を抱いたこと。
いい加減で口が悪く忍耐力が無い。あんな男が日本の舵を取るなんて冗談じゃない。

【GM】
ビビリの女子高生ということですが、マモルさんと、とても関係があるんですよね。

【PL2】
はい~、よろしくお願いします!

【PL2→カナエ】
神薙 鼎、16歳の女子高生です。
先ほどお話に出てきた生き残った女の子とは私のことだ!

【PL3】
何を隠そう! 君だ!!

【GM】
セッション前にすでに1シナリオ通過したみたいになってるんだよなぁ。

【PL3】
打ち合わせは一瞬だったのに……

【カナエ】
ですが本人はそんなことすこんと忘れて、というか世界の記憶の改竄の影響を受けてすくすくビビりに成長。
今日も今日とて楽しいオタク生活を謳歌していましたが、なんと二度目の“ヴィジョン”に遭遇。
そこで再び、今度は抵抗者として活動をしていた大野さんに助けられることに。

――なにが、起こっているんだろう。
これは本当に現実なんだろうか。
だってだって、たった今まで私はいつも通りの毎日を、いつも通りに過ごして、これからも当たり前に続くはずだった毎日の中でただ息をして――
それなのに。
様変わりした景色。知っているはずなのに知らない空気。
目前に迫るのは質量を持った恐怖。
ああ、もうだめだ。何もわからないまま、何もできないまま私はこの恐怖に殺される――
そう、思った時。その人は現れた。

【GM】
わかってはいたけど、ヤバいメンツ揃えてしまったな……
プリプレイで相談して設定練ると楽しいよ
とルールブックに書いていますが、その成果がこれです。

【カナエ】
私と同じただの人間のはずなのに、私と恐怖との間に立ちふさがり、まっすぐに恐怖に向かう誰か。
その後姿を、私は知らないはずなのに、なぜかひどく懐かしくて、腰を抜かしたまま、馬鹿みたいに安心していた。
その人だって、傷付いていくことにすぐには気付けないほどに。
「あ――」
流れる血、苦悶の声。
それでも、決してその人は退かない。
その後ろに、馬鹿みたいに座り込んでいる私がいるせいで。
またひとつ、血飛沫が上がる。
全身が震えている。涙が浮かぶ。
だめだ、だめだだめだ。
このままではこの人が死んでしまう。
あの時のように。
“あの子”のように。

【PL3】
めっちゃ好きだ~。

【GM】
なんか始まってもないのにクライマックスが。

【PL3】
クライマックスは何個あったっていいんだ。

【カナエ】
「や、やめて……」
声は、情けないほどに小さく、震えていた。
その人の真後ろに転がった声には、何の力もない。
それでも、その人が、笑った気配がした。
震える喉に、無理やり空気を押し込む。
「や、やめて……!!!」
引きつれて裏返る声に応えるように、ポケットからあふれる光。

【GM】
GMも覚悟を決めた。
チュートリアル用のミニサイズという冠をぽいだ。

【マモル】
シナリオを投げ捨てた!?

【PL3】
捨てた!

【カナエ】
驚きに目を見開いてポケットを探った指先に“御守り”のビー玉の感触。
そこからあふれる光と、誰かの記憶。
驚きに目を回す暇はない。
泣いている時間はない。
私はその記憶に、声に従い光を束ねる。
どう動けばいいのかは、声が教えてくれる。
力の入らなかった足が嘘のように、私は駆ける。
目の前のその人と恐怖の間へ。
そして……。
蒼い、光が閃く。

恐怖の時間が終わっても、私は情けなくぐしゃぐしゃに泣くばかりで。
それでも、私は還ってこれたのだ。
私の、いつもの日々に。
けれど、今までとは決定的に違う明日に――

てな感じでございます。
言うて根がビビりですので、できれば攻撃は仲間にお任せしたい。そんなキャラです。
サファイアエクステンションで支援型にて組んでみました。
頑張ってサポート出来たらいいな!

【GM】
はい!
これがプリプレイで設定を擦り合わせたPLたちの姿です。
顔つきが違いますね!

【PL3】
ハードル上げないでくれませんか?

【GM】
さて、カナエさん。せっかくなのでシナリオメモリーの福沢諭吉について、何かコメントをどうぞ!

【カナエ】
諭吉ー! 俺だー!!!!
来るときは一人で、出ていくときは数人と手を携えていくのはやめてくれー!
……こういうことじゃないな。

「陽キャって相容れないですよね。わかります…! 私も多分ああいう人が目の前にいたら困ると思いますもん」

【GM】
はい、ありがとうございます!
ビビリの女子高生がどんな成長を遂げるのか、楽しみですね!

【カナエ】
好き勝手やらしてもろた。

【GM】
では、トリです。

PC3ハンドアウト
シナリオメモリー:新門 辰五郎
キミの思い出した“記憶”は町火消の棟梁のものだ。
はっきり覚えているのは神君家康の馬印、金の扇を掲げて鳥羽伏見の戦いの敗軍を江戸まで先導したこと。
うまく思い出せないが、「勝海舟」から恐ろしい計画の実行を命じられていた気がする。

【GM】
マモルさん同様に歴戦の抵抗者ということになってますね。

【PL3→レイ】
そうですね! 名は梓 玲。
アジサイがモチーフな32歳女性です!
リビドーに従っていいんだな?

【GM】
ゴーゴー!

【カナエ】
リビドーだ!!

【GM】
我々こんなことしてるからボイスセッション4時間のシナリオをテキストセッションで七夜とかするんですよ。

【レイ】
私も負けじと準備してきたので、来歴を少し。

知ってるか?
平和ってやつは一瞬で吹き飛ぶのさ。
戦国時代の闇討ちってか? ヴィジョンが顕現してね。
食卓を囲んでいただけだった。
しかし、瞬きを一つ。
すると目の前で、時代劇が展開された。
お約束のヒーロー? そんなものはいない。
実際に起きたのは、ただの虐殺だった。
侍たち、そして私の家族が殺された。死体すら残らなかった。
何故かあたしだけ殺されなかったよ。
まだガキだったからな。うまく隠れられたのかもしれない。
運があるのか、ないのか……分からない。
……だがな。
虐殺の最中に弾き飛ばされた刀剣。
それに触れた瞬間、名もなき英雄の記憶、殺された侍の記憶。
それが入り込んで来やがった。
”死んでたまるか、殺してやる”
それからだ。時折、乗っ取られるのは。
……よっぽど守りたい物があったらしい。
記憶と共に、侍の技術を体得したあたしは、人類解放戦線に入った。
そこで知った。
漫画の中の悪役みたいな連中が歴史を改変しようと躍起になっている事を。
「全く、くだらない」
あたしたちが生きているのは“今”だというのに。
あたしはあの日、すべてを失くした。
出来れば一緒に死にたかったさ。
……だがな。
”死んでたまるか、殺してやる”
そう、記憶が疼くから。
「あたしは、あたしにできる事をするさ。せめて、この手が届く場所では屑共の好きにはさせない」

という子です!!

【GM】
ありがとうございます!
ルビーのデストロイヤーで攻撃的な構成ですが、ちょっと変わったビルドをしてきましたよね。

【レイ】
そうですね~!
キャラの生い立ちを考えてこの子が帰りたい場所ってどこだ?
って考えた時に、それは一家団欒、家族の幸せなひと時だったんですよね。
なので、ルビーの〈春よりも暖かい日〉を見た時は、瞬間で取ることを決めましたね。

【GM】
探索用の秘術もシナリオによっては重要になってきます。
トラウマと“記憶”を抱えたレイさんがどう戦っていくのか、楽しみですね。
それでは、みなさん、始めてしまってもいいですか?
何か言い残したことはありませんか?

【Pカナエ】
PC紹介だけで一時間経ったの笑っちゃうな。

【レイ】
それはそう。

【マモル】
え? よくある事では?(お目々ぐるぐる)

【レイ】
あ、梓さんは薙刀が得物です。
以上です!★

【GM】
はーい、ではオープニング始めて行きましょう!

歪みのアカシック
『江戸城無血開城アンサング』
開幕となります

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