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江戸城無血開城アンサング7

【GM】
キミたちは上野へ向かって歩く。
電車ならあっという間だが、歩くとなると、なかなか時間が掛かる。
江戸の街並みを眺めながら歩くうちに、キミたちは見知らぬ記憶――鉄蔵、福沢諭吉、新門辰五郎の何気ない江戸での記憶を思い出していく。
全員浸蝕判定をお願いします。

【マモル】
1D100<=50 > 88 > 失敗
1D6 > 2

【カナエ】
1D100<=46 > 92 > 失敗
1D6 > 1

【レイ】
1D100<=41 > 18 > 成功
1D6 > 4

【GM】
レイさんの励起が解除されました。

【マモル】
「……しかし、毎度思うが……こうしてテレビの中でしか見た事のないような場所を歩けるとはなあ」
道を行き交う和服の人々を見やる。
「差し迫った状況でなければ本場の江戸前寿司でも食ってみたかったなぁ、何でも一貫がおにぎりみたいにデカイらしいし」

【カナエ】
「なんだか不思議ですよね…」
同じくきょろきょろと周囲を見渡す。
「そうそう、これくらいの頃からお肉も食べられ始めたんですよね。福沢さんはこの先の牛鍋を食べさせてくれるお店がお好きだったみたいです」

【マモル】
「だな、少し前までは豚とか牛の肉は薬扱いだったが、西洋の文化が入ってきて肉食が始まったとかなんとか」

【レイ】
「薬……なるほどね~。オヤジの頭ん中は、どの建物ぶっ壊せば、火の手が収まるか、それしかなかったようだ。地図がバシッと入ってやがる」

【GM】
そんな会話をしながら歩いていると、一軒の飯屋が目に入る。
大野 護。キミの中の鉄蔵の記憶がフラッシュバックを起こす。

―――――――――――――――――――

【GM】
飯屋の店内。
キミは何も飲み食いせずに同行者のふたりをじっと観察している。
ひとりは勝麟太郎。
もうひとりは白飯に焼酎をぶっかけて口に掻き込んでいる。

【勝 海舟】
「……坂本君。いつも思うんだが、その食い方はどうかと思うよ」

【坂本 龍馬】
「ほうひゃな!」

【勝 海舟】
「食いながらしゃべるんじゃないよ」

【GM】
丼を空にした男は酒臭いげっぷをひとつすると、麟太郎に言った。

【坂本 龍馬】
「勝先生、飯ってのは食い方じゃなく、何を食うかが重要なんですよ」

【勝 海舟】
「だからって飯に酒ぶっかけて食う奴があるかい」

【坂本 龍馬】
「何が気に入らんのか知りませんがね、腹に入っちまえば一緒ですよ。なあ……鉄蔵」

【GM】
キミは興味無さげに頷いた。

【勝 海舟】
「坂本君、俺はキミを日の本の夜明けをもたらす人材だと高く評価してるんだ。不摂生で早死になんてよしてくれよ」

【GM】
坂本と呼ばれた男、龍馬はニカッと笑う。

【坂本 龍馬】
「ニッポンの夜明けはすぐそこですよ。勝先生こそ暗殺されないよう気をつけてください。ああ、そうだ、……鉄蔵。お前、俺なんかより勝先生の護衛についたらどうだ?」

【GM】
キミは少し悩んだが、こいつの剣の腕は自分ほどではないが本物だ。
確かに護衛をするなら麟太郎の方だろう。そう納得して引き受けた。

―――――――――――――――――――

【GM】
マモルさんはフラッシュバックの発生による、フラッシュバック表のロールと浸蝕判定をどうぞ。

【マモル】
1D6 > 6

あっ

【レイ】
あっ

【カナエ】
のっとりだ~~~!!

【マモル】
1D100<=48 > 42 > 成功
1D6 > 4

【GM】
では、お好きなメモリーに飲まれてください。ただし、浸蝕判定に成功したので、それは一瞬のことです。あと、4以上なので励起状態も解除されます。

【マモル】
OK、では岡田以蔵に飲まれようか。

【GM】
お、では丁度いいですね、続けて描写します。
キミは坂本龍馬が鉄蔵の名前を呼ぶ度に、一瞬言葉に詰まっていたことを受けて思い出す。
鉄蔵は偽名だ。
本当の名前は岡田以蔵。人斬り以蔵だ。
しかし、おかしい。鉄蔵にはジョン万次郎を救った記憶がある。
その時期、岡田以蔵はとっくに処刑されていたはずなのに。

岡田以蔵の食い違う記憶が同時にある感じですね。

【マモル】
後付けされた逸話なのか、それとも創作の影響か……?

流れ込んできた記憶に身体を乗っ取られ掛けるが、寸前で自身の意識を呼び戻す。
そして、その時に見たのは名もなき人斬りである鉄蔵……否、岡田以蔵の記憶。
……おかしい。
元々、この小太刀に眠っていた岡田以蔵のメモリーで抵抗者として覚醒した。
だが、この流れ込む記憶は何だ? ジョン万次郎を救った? ありえない。
なぜなら、その頃には……本来の岡田以蔵は処刑されているはず。
「―――訳が解らん、どうなっちゅーんだこの世界って奴は」
そう、口を滑らせる。本来の俺とは無縁な流暢な土佐弁で。

【レイ】
「?」
にたりと笑い、無言で手刀を構えた。

【マモル】
「……大丈夫だ、梓さん。まだ、簡単に飲まれはしないさ」

【レイ】
「そうか。それは残念だ。得たんだな? 新しい記憶を」

【カナエ】
「ほ、本当ですか!? 大丈夫ですか? 梓さんと私、分かりますか? 川には飛び込みませんよね!?」

【マモル】
「お、おう大丈夫だ鼎ちゃん」
ずんずん詰め寄ってくる鼎ちゃんを両手で抑える。
「そこまで心配されなくても大丈夫だって、な?」
そう、安心させるように声を掛ける。

【カナエ】
何か変わったところがないか探るように見つめている。
「何かあったら、言ってくださいね…? 川に突き落とす以外で! どうにかできるよう頑張るので!!!」

【マモル】
「ああ、その時はよろしく頼むよ」
優しく微笑みながら、鼎ちゃんの頭を撫でる。
「で、新しく得たメモリーなんだが……多少の違いは在れど、同一人物の記憶を得るって事はあるみたいだな」

【カナエ】
「それって、どういう……?」

【レイ】
「切り取った時系列が異なると変わるとか、そうゆうやつか?」

【マモル】
「だな、それかその人物の別の側面というか、後になって付け足された逸話が原因で変質しているのかもしれねえ。ま、解りやすく言うと、俺の中には二人の岡田以蔵の記憶があるって事だな」

【カナエ】
「二人の、岡田以蔵……なんだか混乱しちゃいますね」

【レイ】
「…むしろ記憶が混線しなくて良さそうなもんだけどな。そして? 新しい岡田以蔵は、どんな情報を持っていたんだ?」

【マモル】
「ん、この辺りの飯屋でふたりの男が食事をしていて、護衛として同行していたようだ。ふたりの男は……勝海舟と、坂本龍馬。どちらも、この国の未来を思って行動する存在だな」

【レイ】
「その記憶が来るって事は……狙われるかもしれない、という事か」

【マモル】
「ああ……だが、記憶の最後の部分だけがどうにも引っかかる。本来、岡田似蔵は坂本龍馬の護衛として行動を共にしていたはずだが……この記憶では、勝海舟の護衛に変わっている……どういう事だ?」

【カナエ】
「えぇと、本来の歴史と違う行動をしていたってこと……ですかね? さらにまた創作なんかの別の記憶が混ざっちゃってるとか……?」

【マモル】
「だな……ん? ……待てよ、岡田以蔵っていえば今の日付だと、もう死んでないか?」

【カナエ】
「……え?」
一気に青ざめる。

【レイ】
「……幽霊だったりして」

【カナエ】
「ぴゃぎゃ~~~~~!!!!!」
泣いた。

【マモル】
「……俺の記憶が正しければ、岡田以蔵は江戸の無血開城以前に処刑されているはずだ。にもかかわらず、鉄蔵の記憶だと……もっと後にジョン万次郎の危機を救っている? ……まさか、いや、待てよ? だが、こう考えれば辻褄が……」
ブツブツと呟きながら考えに沈む。

【カナエ】
「おば、おば、おばば……! でも先生は幽霊なんていないって……」

【レイ】
「……表面に残る歴史と実像は、異なるって事だろ、多分。処刑されたのは別人。本当の以蔵は、裏で落ち延びていたなんてこともあるかもしれん」

【マモル】
「……梓さんの言っている可能性ももっともだが、俺としては一つの仮説が浮かんだんだ。……この、異なる記憶を持つ岡田以蔵は、歪められた歴史の中で生きている可能性を掴み取った存在じゃないのか?」

こう、坂本龍馬護衛ルートから勝麟太郎護衛ルートになったので、死亡フラグを回避した感じで。

「映画とか小説で言うイフだとか、パラレルワールドってやつかもしれん。……まあ、だからと言って何が変わるとかは無いんだがな」

【カナエ】
「な、なるほど……」
(おばけじゃないおばけじゃないおばけじゃない)
「……そっか、アカシクレコードが改竄されて別の歴史が本来あったのかもしれませんね」

【マモル】
「ああ……とは言え、何が正しいのかはわからん。俺たちは、俺たちの生きる未来を守るために戦う。ただ、それだけだ」

【カナエ】
「そう……ですね。そうですよね……なら、せめて私は覚えていたいです。そんな“もしも”があったことを」
(……そんなもしもがあり得るなら、そんなもしもに塗りつぶされた誰かも、やっぱり……いたのかもしれない)

【GM】
話しながら歩いていたキミたちは上野寛永寺に到着する。時刻はとうに夜になっていた。
大きな寺だが、妙に静かだ。

【レイ】
「……こんなに暗けりゃ、暗殺の一つや二つ、起こりえるってもんだ」
周囲を見て、時代の違いを感じた。

【マモル】
「ああ……こんなに静かで、暗い闇、“仕事”をするには、最高の時間だな」
己の中に居る、二人の人斬りの記憶がそう囁いている。
「とはいえ、調べはやらねえとな……」

〈土竜の観相〉
目標値:70/コスト:2/タイミング:任意/効果:五感に頼らずに周囲の状況を知る。戦闘中は使用したラウンドの間有効。/ファンブル:意志を1点失う。

1D100<=70 > 91 > 失敗

ぐえー

【GM】
失敗。

【カナエ】
〈千爛の魔眼〉
目標値:80/コスト:2/タイミング:キャスト/効果:見た物の状態が詳しく判る。秘術の影響を受けているのであれば、どのような秘術によるものか判別できる。/ファンブル:意志を3点失う。

1D100<=80 > 86 > 失敗

今日の出目だめです!

【レイ】
何もできない悲しみ! デストロイヤーは探索向きじゃない!

【GM】
コスト制のため、時間的余裕のある場面であれば再試行可能です。

【マモル】
〈土竜の観相〉
目標値:70/コスト:2/タイミング:任意/効果:五感に頼らずに周囲の状況を知る。戦闘中は使用したラウンドの間有効。/ファンブル:意志を1点失う。

1D100<=70 > 69 > 成功

【GM】
成功!
では、秘術により研ぎ澄まされた感覚は、広い境内を持つ上野寛永寺の中に、“ほとんど誰もいない”ことを知らせてくれる。

【マモル】
「……妙だな、おっきなお寺さんなのにやけに人の気配が少ない。少なくとも住職や、お弟子さんはいるはずだが”ほとんど誰も居ない”……?」

【カナエ】
「そんなことって……。というか、じゃあ今この中には誰がいて誰がいないの……?」

【レイ】
「政府の要人が集うんだ。人払いがされている可能性は?」

【カナエ】
石の音色か水の詩篇使ってみるのも手かな。もっかい魔眼でもいいけど。

【レイ】
〈ひと繋ぎの親愛〉渡す?

【マモル】
うむ。

【カナエ】
まことか、助かる。

【レイ】
「…神薙。ちと、手を貸せ」

【カナエ】
「え? あ、は、はい」

【レイ】
手を握る。体内の霊力の流れを整理し、神薙に流し込んでいく。

〈ひと繋ぎの親愛〉
目標値:90/コスト:10/タイミング:任意/効果:対象の意志を10回復する。/クリティカル:更に5回復する。

【GM】
承認! 判定どうぞ

【レイ】
1D100<=90 > 53 > 成功

【GM】
ではカナエは意志が10点回復します。

【カナエ】
ありがてえ~~!! そしてすぐ減らす!

「わっ……!」

【レイ】
「どうだ? あったかいだろ?」

【カナエ】
「は、はい……。なんだかちょっと、疲れが取れた気がします!」

【レイ】
頷くと、前を見た。
「…よし、調査は頼む。あたしは、荒事専門だからな」

【カナエ】
こくり、と頷いて意識を集中させる。

〈水の詩篇〉
目標値:60/コスト:3/タイミング:キャスト/効果:物品や場所の記憶を読み取り、少し前に何があったのかを知る。/クリティカル:その物品に触れた人物、その場所にいた人物の情報を得る。/ファンブル:意志を2点失う。

【GM】
判定をどうぞ!

【カナエ】
1D100<=60 > 91 > 失敗

もう一回コスト消費して判定します。

【GM】
判定どうぞ!

【カナエ】
1D100<=60 > 98 > 失敗

出目が死んでる……。

【レイ】
え!!!! これはやべぇ
まぁそうゆう時もあらぁ!

【カナエ】
まあ秘術支援より安いのでもう一回ですわ。

【GM】
了解です、どうぞ!

【カナエ】
1D100<=60 > 10 > 成功

極端なんよ出目が。

【GM】
では、キミは視ることになるだろう。夕暮れ時にこの寺を訪れたサンジェルマン伯爵の姿を。
それ以降、この寺を出入りしたのは、ひとりの男が入って行っただけだ。

【カナエ】
「……いました。あの……サンジェルマン伯爵。それからひとり、男の人、あの人は……」

GM、男性に見覚えなどはありましたか?

【GM】
そうですね……福沢諭吉の記憶が微かにちらつきますが、うまく思い出せません。身分のある武士だなというのはわかりました。

【カナエ】
「多分、それなりに身分の高い武士だとは思うんですが……すみません、誰かまでは……。ただ、サンジェルマン伯爵が“出て行った”ところは見えません」

【マモル】
「……それだけ分かれば十分さ」
そう言って小太刀を構え、梓さんに目配せをする。

【レイ】
「……そうだな」
柄を短めにした薙刀を持ち、臨戦態勢。

【GM】
キミたちは寺の境内へと足を踏み入れた。

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