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【素人予想】有馬記念・GI

 暮れも押し迫る12月後半、あなたはクリスエスクリスマスをどこで誰と過ごしますか?私は千葉県船橋市できったねえ風体のどうしようもねえ親父共とおしくらまんじゅうをしながら過ごします。今年も有馬記念の季節がやって来たのです。早いですねえ。去年大勝ちしたのが昨日のことのように思い出されます。

 世界最強馬vs三冠牝馬で盛り上がったジャパンカップから早1ヶ月。この2頭こそ出ませんが、今年もドリームレースと呼ぶに相応しいメンバーが集結しました。新進気鋭の3歳馬からラストランを迎えた古豪まで、多彩な16頭の馬たちがエキセントリックな中山芝2500mコースで火花を散らします。とりあえずウインマリリンの頑張れ馬券を買うのは決定していますが、さすがに6歳の牝馬に夢を全ベットすることがリスキーなのは重々承知しているので、もう少し予想を突き詰めていきたいと思います。先に言っちゃうと本当に狙っていたのはブローザホーンからの馬連流しでした。しょうがない、春天で会いましょう。ここからは素人なりに展開を考えていきたいと思います。

展開予想

【1】

 このメンバーで誰が逃げるかと言われれば、ようやく有馬記念で絶好枠を引いたタイトルホルダーで間違いないでしょう。アイアンバローズも逃げられる馬ではありますが、今年の春天を鑑みてもタイトルホルダーの方が逃げるはず。ここで気になるのはタイトルホルダーがどれほどのペースで逃げるかというところ。菊花賞以降のタイトルホルダーが勝ったGIと敗れたGIの1000m通過を比較した上で、非常に単純な言い方で結論を下すとすると「(距離の違いはあれど)速く通過した方が結果が出ている」ということが言えます。実際22年有馬(9着)と23年JC(5着)は通過タイムからしても和生さんが日和ったような印象を受けた人が多いでしょう。これがタイトルホルダーの本来の走りじゃないと思ってるファンは相当数いるのではないでしょうか。逆に言えば、「本来の走りじゃないから飛ばせなかった」という見方もできます。

 今回攻めていけるかどうかは結局タイトルホルダーの状態によるところではありましょうが、和生さんからしてみればこれが最後のタイトルホルダーとの競馬。あんなに楽しかったタイトルホルダーとの旅があと2.5kmで終わってしまうのです。自分が和生さんだったらどう乗るかを考えると、やっぱり悔いが残る騎乗は絶対に避けたいし、何よりタイトルホルダーを信じてあげたいと思うわけです。じゃあどうする?飛ばすでしょ!

 ということでここからはタイトルホルダーがガンガン飛ばす想定で書いていきたいと思います。旅はもうすぐ終わります。でもまだ終わっていないんです。

 あ、ちなみにですが、このメンバーでタイトルホルダーが勝つには「後ろからある程度放置される」ことは絶対に必須です。宝塚みたいな超高速馬場による位置取りゲーになる可能性もないでしょうし、純粋な能力だけで押し切れるとは考えにくいです。能力だけで押し切れる馬ならJCでもっと飛ばしてるでしょうし、オールカマーでローシャムパークに負けたりしません。もちろん「後ろを惑わす」ことも含めて馬の強さであることは断っておきますが。

【2】

 タイトルホルダーが飛ばし気味に進む中、ついて来る馬がいるかどうか。さすがにタイトルホルダーの単騎先頭になるとは思います。並びかけたとしてもアイアンバローズくらいでしょう。ディープボンドがぴったりくっついていくことも考えられます。問題はその後ろ。アイアンバローズとディープボンドがいるいないにかかわらず、タイトルホルダーと中団馬群の間はそれなりの差が開いていると考えられます。

 ここで2つのルートが出てきます。中団馬群の先頭の仕掛けるタイミングによって、タイトルホルダーが残るか、後ろの馬が台頭するかが大きく左右されます。つまり、中団馬群の先頭の仕掛けが遅ければ前残り、早ければ前崩れ。このポジションに収まった人馬の選択次第で上位陣の顔ぶれはいくらでも変わるでしょう。ここからは「中団馬群の先頭」にどんな馬が収まるかを考えていきましょう。

(1)アイアンバローズ、ディープボンド

 22年天皇賞春においてタイトルホルダーに楽逃げされた組です。その反省か、今年の春天ではアイアンバローズが2周目3角でタイトルホルダーをつついています。ディープボンドは鞍上がタイトルホルダーを放置することの怖さを知っている和田さんではない以上、マーカンドくんがどれだけタイトルホルダーにくっついていくかが未知数ではありますが、去年ジャスティンパレスで3番手を取り切っちゃうくらい先行意識が高すぎる騎手なので、そこまで消極的な騎乗はしないでしょう。またこの2頭は末脚が全くと言っていいほど切れないので、早めに攻めないと後ろの馬には絶対勝てません。

 つまるところ、この2頭が中団馬群の先頭を取り切った場合、早めにレースが動いてペースが上がり、「総合力がある馬」と「後方の馬」に利があると考えられます。

(2)アイアンバローズ、ディープボンド以外の馬

 具体的に言えば、「京都大賞典で先行して押し切ったプラダリア」や「内ラチ沿いを確保できたウインマリリン」、「エリザベス女王杯で尋常じゃないジリ脚を披露したハーパー」、「大外から好発を決めてルメールさんが変態ムーブをかました場合のスターズオンアース」などが考えられます。ここらへんの馬は早めに動いてしまうと後ろの馬の標的になってしまい、逆に危険です。後ろの馬にとって大逃げって厄介なんですが、それを下手に捕まえに行くと自分がバカを見る羽目になるわけです。熱湯風呂を前にして「俺が入る」と言いながらみんなで竜ちゃんを探しているような状態です。もしディープボンドが京都大賞典やJCのように先行できていなかったら、竜ちゃん役を買って出てくれるかもしれません。この場合、ディープボンドが中団から捲り上げることでペースが上がって後ろの馬にもチャンスが生まれますが、タイトル・アイアン・ボンドの3頭で大逃げしていた場合、後方が膠着してしまい、この3頭の行った行ったになる可能性すらあります。

【3】

 というわけで道中の動きで考えられるパターンは「総合力勝負」か「前残り」となります。可能性としては前者の方が確率は高いでしょうか。前残りの可能性を考慮して、タイトル・アイアン・ボンドを保険として買い目に含めるのは良いかもしれません。ガミりそうだけど。

 ここからは向正面から展開が動いて総合力が問われるレースになった場合を考えていきたいと思います。前残りパターンで挙げた3頭はスタミナ由来の長くいい脚(持続力)を使えますが、最終盤で切れる脚(瞬発力)を持っていません。しかし、競走馬の世界というのは悲しいもので、世の中には持続力も瞬発力も持つ競走馬がいます。基本的には持続力+瞬発力が総合力であると私は考えており、現代における総合力の極致がこの前引退したあのクソデカエクレアのUMAなんですが、今回の有馬記念で人気になりそうなスターズオンアースとジャスティンパレスもその類でしょう。この2頭については、「まともにゲートを出て」「然るべきタイミングで仕掛ける」ことができれば、ほぼ確実に上位争いに絡んでくるのではないかと思います。

 ただ、「まともにゲートを出て」「然るべきタイミングで仕掛ける」ことが簡単にできるんだったら、競馬はギャンブルとして成立しないのです。競走中に事がうまく運べなければ、どんなに能力のある馬でも勝率は下がります。スターズオンアースなんかはレース前の時点で大外枠という大デバフを食らっています。穴党の皆さんはそこを突いて高配当を狙うわけですが、私は基本的に確率が高い方を狙いたいですね。

 どちらかと言うとスタミナに裏付けがあり、枠も極端ではないジャスティンパレスの方が先に仕掛けると予想しています。ジャスティンパレスの鞍上はタイトルホルダーで菊花賞を勝った武史くんであり、タイトルホルダーの強みと潰し方を知っています。武史くんはタイトルホルダーを目掛けて進出するでしょう。一方スターズオンアースは大外というのもあるので、よっぽど行きっぷりが良いとかではない限り、ジャスティンパレスをマークしてその後ろから進出すると踏んでいます。

【4】

 後方待機勢がどこまで迫れるかは、「どこで展開が動くか」にかかってくるでしょう。つまり、(中団馬群にいた場合の)ディープボンドやジャスティンパレスなどの仕掛けるタイミングが早すぎると後ろにもチャンスが生まれます。後方待機するであろうと思われるのが、距離不安のあるドウデュース、ソールオリエンス、そしてイクイノックスを後ろから差しかけた実績のあるスルーセブンシーズといったあたり。3頭とも素晴らしい末脚の持ち主であり、ペースが予想以上に流れれば上位に進出する可能性が高まってきます。また、スローペースでなければ最終直線に入った後は馬群もある程度ばらけて、差し馬としては馬と馬の間を突くことも可能になり、選択肢が増えます。ただ、ここらへんの馬たちはどうしても展開待ちになってしまいそうです。(それは前残りに期待したい逃げ先行馬もそうですが。)

 最後の直線では、瞬発力はそんなにないけどバテはしないタイトルホルダーが粘り込みを図ります。そこにジャスティンパレスが前の馬を捕えにかかり、その後ろからスターズオンアースが飛んでくる。さらに後方から最後方待機勢が届くか届かないかの末脚を発揮したところがゴール…というのがありそうな展開かと思います。ここまでは「逃げ馬」「人気しそうな馬」「追い込み馬」を中心にした全体的な展開についてお話ししましたが、まだまだ有力馬はいます。ここからは、有力各馬に焦点を当てて考えていきましょう。

有力馬の所見

[02][04]タイトルホルダー

 念願の「有馬記念の内枠」をゲットした長距離の古豪にして今回がラストラン。前述したように、悔いが残らないようにある程度飛ばして逃げると考えられます。ただ、ずっと飛ばし続けるタイプではなく、中盤で息を入れる必要があります。まあ、ずっと飛ばし続ける長距離馬なんてありえないわけで。

 この馬が絶好枠を引き、スターズオンアースが大外枠を引いた以上、他の馬からの注目度は一気に上がります。繰り返しになりますが、この馬は能力的にもある程度放置されないと厳しいと考えており、逆にこの絶好枠が仇となる可能性もあります。

[03][06]ディープボンド

 こちらも能力面ではちょっと評価しにくいです。陣営がGI勝利のためになりふり構わぬ姿勢を見せているのはひしひしと感じるので、追えるマーカンドくんと初装着のブリンカーがどこまでいい効果を及ぼすか、というところに尽きると思います。

 変なコースで行われることもあってリピーターも目立つのが有馬記念ですので、大外を引いた昨年はともかく、2着に踏ん張った一昨年のようなパフォーマンスができれば、上位進出も夢ではないはずです。ただ加齢のせいか最近はテンのノロさに磨きがかかっちゃってる印象を受けるのも否定できません。

[07][13]タスティエーラ

 展開予想時には1回も言及していませんでしたが、コース適性で言えば個人的な期待感はある方です。ダービー馬はあくまで「東京芝2400mで行われる3歳春時点での世代最強を決めるレース」の勝者であり、その後の成長度合いやコース適性のなさなどから、グランプリでの成績が良くありません。

 それでもなおこのダービー馬に有馬適性を期待してしまうのは、何と言ってもレースの巧さです。重馬場を前受けして2着に粘った皐月賞や馬場の内から抜け出してしれっと2着に入った菊花賞など、場所や鞍上を選ばずに自分の能力を出し切ることができるのがこの馬の最大の強みです。今年の3歳馬の対古馬成績の話も持ち出されますが、全くレース質の違う皐月賞とダービーの両方で連対できるあたり、この馬とソールオリエンス(とドゥレッツァ)は同世代の牡馬の中でもかなり抜けている存在ではないでしょうか。

[06][11]ハーパー

 穴目なところでちょっと面白いかも、と思っているのがこの馬です。期待値としてはディープボンドと同じくらいはあります。54kgという軽斤量もそうですが、この馬は末脚が全く切れないところが逆に魅力的。エリザベス女王杯で見せたジリ脚はこの馬を本命にしていた私の度肝を抜きました。私の中では「次世代のディープボンド」という呼び声が高い1頭です。

 終いが切れないので、ディープボンド同様勝ちきれないキャラになりそうな気もしますが、3着以内に突っ込んでかき回してくれそうという期待もあります。中山芝2500だったらリバティアイランドより強いのかも?

[07][14]プラダリア

 状態が良くなかったとはいえ所詮は新潟記念4着馬ですし、能力比較という点でもディープボンドとほぼ同じくらいと考えると勝ち切るまでは相当難しいと感じています。ただ、池添さんが京都大賞典の勝利騎手インタビューで「調教の動きがレースに直結する馬」と発言しており、現在の状態面を見てもこれまでよりは期待しても良さそうに思えるのもまた事実です。宝塚記念では内から一瞬鋭い動きを見せ、「勝つのでは!?」と思わせるほどでした。

 先行馬の割にちょっと外目の枠を引きましたが、7枠なら許容範囲内です。ムルザバエフさんがドゥラエレーデ級のメガトンパンチをお見舞いしてくれるかもしれません。

[06][12]ウインマリリン

 BIG LOVE。冒頭にも書きましたが頑張れ馬券はこの子から。近走の着順や6歳馬の有馬実績などからしても、まあさすがに勝つまでは難しいかなとは思っています。外国人騎手を配したあたりからは勝負気配…というよりは「少なくとも捨てレースではない」という気概を感じます。

 近走と年齢に目をつぶってコース適性と血統だけを見ればこの馬が一番勝ちに近いはずなんです。オールカマーと日経賞を勝ってるロベルト系とかバチバチじゃないですか。ファン感情としては2021年の有馬記念に万全の状態で出れていれば…と思わざるを得ないのですが、もう過ぎたことですし、何よりマリリンがGI馬になれたのでほどほどにしておきます。とにかく無事に回ってきて下さい。スタンドで待ってます。

[05][10]ジャスティンパレス

 2年連続で5枠10番に入りました。枠順と能力とコース適性を総合的に勘案するとこの馬が一番勝ちに近いと思われ、おそらく1番人気でしょう。春天はタイトルホルダーのアクシデントを抜きにしてもいい走りをしており、タイトルホルダーが無事でも勝ってたんじゃないかなとすら思っています。レースを経て強くなっているようなところや58kgの斤量にも負けないところからも、ディープ牡馬にまつわるマイナスイメージが通じない印象もあります。

 宝塚ではゲートでの駐立の悪さが目立ち、秋天では実際に出負けしているので、陣営としては後入れの偶数枠を得てさぞ胸を撫で下ろしていることでしょう。また、隊列を考えると、後方の有力馬からのマークは必至ですが、この馬には後ろの馬達と違い距離不安が一切ないのも心強いです。

[08][16]スターズオンアース

 彼女は明らかに条件が合わないレースでも根性を振り絞って馬券圏内に入ってくるヤバい女です。前走は勝利経験もあるドンピシャの好条件でしたが、それでも故障明けと大幅体重増を考えるとかなりムチャクチャなパフォーマンスをしています。まあ、中山が合うかと言われたら絶対に合わないです。上でダービー馬と有馬記念の相性の話をしましたが、それはオークスで完勝したこの馬にも言えることです。

 8枠16番を引き、JRAから「お前は馬券に絡むな」と半ば宣告されたような状況においてルメールさんがどのような手綱捌きを見せるかは気になります。ただ、ルメールさんは「足りる馬を確実に持ってくる」騎手というイメージであり、大外を引いて「足りない馬」状態になってしまったこの馬を持ってこれるかというと、うーん…。

[03][05]ドウデュース

 今回の出走馬16頭で最も距離適性が短いのはこの馬でしょう。2500という距離で来るイメージはないですし、レース中にかかってしまう不安もあります。しかもこの秋3戦目ときたもんだ。秋古馬三冠皆勤してるだけでも偉いので、何着になっても褒めるつもりです。

 強い馬には間違いないんです。さっきのダービー馬とグランプリの関係が悪い話にもつながるんですが、阪神芝2200の重賞を勝てるダービー馬ってかなり貴重な存在なんです。確かに京都記念は相手関係がぬるかったことは否めませんが、マテンロウレオはGIで2回掲示板に入り、プラダリアはGIIを勝っていることからも一定の水準はあると考えられます。「最初の900mをゆっくり行って、残りはマイルの競馬作戦」とかしてきたら非常に怖いですね。

[08][15]スルーセブンシーズ

 成長力に溢れるというか成長が遅すぎるドリームジャーニー産駒だけに怖い存在です。追い切りでは屈指の好タイムを出しています。宝塚記念では惜しくも内で詰まってしまい2着に敗れましたが、この時の1着馬は出てきません。そんな馬の鞍上には池添謙一。ファンからしてみればこんなにそそられる馬もいないでしょう。

 と、ここまで希望的なことを並べましたが、今回は宝塚のような状況になるとは限りません。あの時はたまたま後方に下がって来たイクイノックスをぴったりマークしてればよかったのです。イクイノックスが前を掃除した上でのごっつぁん2着という見方もできるわけです。有馬でも展開が向く可能性はありますが、宝塚が上手く行き過ぎているだけに罠に見えなくもない。

 絶望のピンク帽ですが、隣がスターズオンアースなのはいいのではないでしょうか。宝塚の時のように、スターズオンアースにくっついて行けばいいことがあるかもしれません。

[01][01]ソールオリエンス

 この馬はコーナリングが終わっていますので、大外一気しかないのが辛いです。あれが直れば中山で無双できると思います。ヴァンドギャルドの下ということもあり、乗り難しそうな印象が強く、テン乗りもあまりいいとは思えません。あとは距離。キタサンブラック×Motivatorとかステイヤーになりそうなもんなんですけどね。

 皐月賞の時に「まだ狙い時じゃない」と思って外した人間が言っても説得力マイナスだと思いますが、この馬を狙うなら来年以降のような気がします。逆に言うと来年がめちゃくちゃ楽しみな馬ですね。

おわりに

 ジャスティンパレス軸の3連複を本線にして勝負したいと考えています。紐は5、14、15、16、3歳馬あたり。ここまでさんざん御託を並べましたが、こんだけ書いても当たらんもんは当たらんのですがね、ガハハ。

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