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箱膳感覚でランチョンマットを使ってみる 8月−8

 昔は箱膳といって、中に一人分の食器が収納できる小さな御膳が使われていました。自分の食器を出してごはんと味噌汁をよそい、漬物を置き、食べ終わったら茶碗にお茶を注いで飲み、最後に各自が懐紙やふきんで茶碗や箸をきれいにぬぐってまた御膳の中へ。
 配膳や洗い物の手間を減らす非常に合理的な方法でした。私の祖父の家では、こうした箱膳は使っていませんでしたが、普通の食卓でも、祖父はごはん茶碗にお茶を注いで、箸と茶碗をきれいにしてから食事を終えていました。身仕舞いの美しさだけでなく、祖母の家事の手間を減らすための気遣いを感じたことを覚えています。

 こうした習慣は、衛生観念の違う現代では現実的とはいえませんが、一人づつランチョンマットやお盆を使うことはオススメしたいと思うのです。その上に乗っているものは、自分で使ったものだということがひと目でわかるからです。最後、その場所は自分で片付けようと家族に声がけをすることもできます。お盆であれば、まとめてキッチンに運ぶことができるので、片付ける側もラクチンです。

 この方法で、後片付けに積極的に子どもが関わるようになったという声もよく聞きます。おひつやお鍋から自分でよそい、自分の場所は自分で片付ける。一汁一菜をきっかけに、さまざまなよいことが生まれそうな気がしませんか?
 いつもの習慣をちょっと変えることで、自分が楽になるだけでなく、家族にも新しい習慣が根付いて、それが暮らしへの関心につながっていきます。現代の箱膳習慣。ぜひ活用して欲しいと思います。

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