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漁村のあいだを走る。

梅雨に入って雨ばかりなのだけれど、
そのなかでも貴重な晴れ間が見えている。

朝の出荷を途中で抜け出して、
配達のために軽トラックに乗る。

本日の主役はこちらでして……

大きめの伊勢海老を乗せていく。

志摩磯部を経由して、
いつものように渡鹿野島へ。

対岸に到着してから、渡船を待つ。

渡船がやってきたので、乗船。

どこへ行くにも、船に乗らなきゃならない。
渡鹿野の島内には、とくになにもないので。

積荷を下ろせば、もう自由だ。

良い雰囲気だ。

今度は帰りの渡船を待つ。


志摩から再び、南伊勢へ戻る。

帰ると、そこにはアッパッパ貝があった。


「また走ってくれるか」と、社長は言う。

もちのろんだ。
今度はアッパッパ貝を乗せて。

南伊勢阿曽浦から鳥羽相差町へ行く。

こういうことはよくある。

相差の海もきれいだ。

漁村から漁村へ。
そしてまた漁村へ。

僕は走り続けた。

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