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音大生になって その2

【9月に入って子供の運動会。うちの子らが通う小学校は全校生徒60人。コロナによる、短縮3時間の運動会も、子らはほぼ出ずっぱりで大活躍。観客席は天然ソーシャルディスタンス状態。よか村ばい❗】

大学の授業を終えると、研究室には殆ど行かず、まっすぐアパートに帰り練習。16時から22時迄。ロングトーンをひたすらに。最低音から最高音迄全ての音を、ppp、pp、p、mp、mf、f、ff、fff の全ての音量で。納得行く音が出始めたら半音づつ上げていく。終わったら、全ての音で、クレシェンド、デクレジェンド。音が消えて無くなる瞬間まで綺麗な音で、音程も正確に。全てビブラート無しと有りで。

こんな練習してると、スケールやエチュード練習迄到達しないで一日が終わってしまいます。でもクラシックサックスは音が命。(ジャズも同じですが) 自分の好きな、太くて暖かい音が出るまで、じっくりやりました。考えると、今だに同じ様な事をしています。毎日の練習は音階練習から、アドリブ練習(全てのコードにそれぞれ対応するスケールで自由に動けるようにする練習)、と言う基本練習しかしません。全てのキイ、色々なテンポや拍子ですると、それだけで莫大な時間がかかります。曲の練習はライブの数日前からするのみ。
もっと曲の練習もしなきゃなんですが。

何度か先輩に誘われてサクソフォーンカルテットの練習をした事がありました。そもそも音楽の基礎力が無いので、譜面にめっぽう弱く、また人に音程を合わす事が出来ませんでした。
なのでとても苦痛な時間でした。音数の少ないバリトンにして貰っても、僕のせいで、いちいち曲がストップしてしまいます。

合奏してもそんなだし、学校で練習もしないし、早々にドロップアウトの烙印を押されました。当時アパートで狂ったようにロングトーンしている事なと誰も知る由もありません。

同級生はそれぞれ先輩達のカルテットに誘われて頑張っていましたが、気にせず僕はアパートで1人、ロングトーンに明け暮れました。焦りはありませんでした。一番大切な練習をしている実感がありました。

そんな仮ドロップアウトな僕のアパートに、マジドロップアウトの先輩達が遊びに来ることがありました。
類は友を呼ぶってヤツです。先輩なので無下には出来ません。ただ、真面目な人には無いおもしろさを持っていて、楽しくはありましたが。

兎にも角にも、孤独な練習の日々は続くのでした。

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