見出し画像

【鑑賞日記】かわいいたからもの展を観に行った

2024学芸員セレクションII かわいいたからもの〜学芸員の偏愛事情〜 @鎌倉国宝館

学芸員の「これ好き」という煩悩を全開して構成された展示作品の数々は、脈絡があるようでない、でもなんか通底するものがあるような感じがありました。たぶんそれは「好き」という想いなんじゃないのかなあ。全体的にそんな構成なので、ある種のゆるさが会場を包んでいました。

学芸員の自由律な作品チョイスとはいいつつも、やはり仏教にかかる作品が多く、それは鎌倉というお土地柄で、さらにこのミュージアムの方向性的なところでもあるわけです。自分としても満足満腹ではありました。

たとえば、いつもは11月のお風入れにしか観ることのなかった円覚寺や建長寺の作品をミュージアム環境で観るのは新鮮。

数十センチほどの大きさの文殊菩薩や27分の1計画的鎌倉の大仏も、その色ノリのよさも込みで眼福でした。キャプションにも書いてあったのですが、小ぶりであるがゆえに普段の企画ではなかなか展示に至らないモノを、ここぞとばかりに出してみました。とのこと。なんともありがたいことです。

吉谷華圃という作家を知る機会にもなりました。本当、紹介してくれてありがとう、です。涅槃図の顔だけをデッサンした作品は変顔大集合で観飽きない作品でした。もちろん単なる変顔というわけではなくしっかりとした筆力があっての作品なので、おかしさだけではないのが素晴らしかったなあ。

テーマにギチギチにしばられない企画、逆説的に観応えがありました。次回にも期待してしまいます。いつになるんでしょうかねえ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?