138億円の無償援助

11月14日朝日デジタルによれば、「財務省は14日、ウクライナに侵攻したロシアを非難する国連安全保障理事会決議に反対した18カ国に対する、2022年度の無償資金供与決定額が138億円に上るとの集計を公表した。同日開いた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の部会で示した。財制審は政府開発援助(ODA)を戦略的に活用する必要があると指摘した。」「財務省は14日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の部会で、こうした国への支援の是非について議論を促した。「国際社会の平和と安定に重要な役割を果たし、国としてのプレゼンス(存在感)向上につなげていく必要がある」と指摘した。」という報道があった。

何だこれ?
自国の国民が諸々の値上げに次ぐ値上げにひーひー言って生活しているのに、他国に138億円の無償援助というのは、なんという気前のよさか
それとこのやり方、「この指とまれ、金やるぞ」という誠に上から目線のやり方ではないか?
そこには外交などない。金で頬叩いて従わせるという浅ましい経済植民地的な考えが未だに抜け切れていない

第一ODAの実態を見よ。今迄多額の金をODAに垂れ流してもロクな実績も挙げてこない、というより、「やってますよ」感だけのODA
或いは欧米追従のプロジェクトでお題目と余りにも乖離している。 これで「国としてのプレゼンス(存在感)向上につなげていく」笑わせるな!

他国の国際援助も似たりよったりで、自国のやり方を紹介或いは押し付けて、相手国の実情にそぐわない、後に何も残らなくても“プロジェクト成果”として宣伝合戦に走る。

会計監査院が2件の少額のODAの問題点を指摘していたが、ODAの無駄使いは、こんなものでは済まない。
詳細は私のNOTE マガジン「ODAの実態を見る」を参照して欲しい。

これらは数年前に書いたものだが、現在でも変わっていない。
それどころか、最近は中国や韓国の援助機関も活発化しているし、米国も中国に対抗して先陣争いや機材供与を含む人材能力強化のパイロットプロジェクトを行っている。
ただ、内容は、やはり自国の制度が世界標準と未だに思い込んでいる国だけに、米国の制度を押し付けようとする傾向が強く、相手国の実情から考えられる人材の育成には至っていないと思われる。
未だにポンド・ヤード・ガロン・フイート・インチ等という単位を押し付ける国だ。

日本は同様のプロジェクトを後追いで行おうとしても、“予算が増える”と機材供与を嫌がる傾向にあり、竹槍で戦するようなもので、OJT(on the job training)ではなくセミナー中心になり、これまた相手国の人材育成に資するものとはなりにくい。これも「やってますよ」だけで終わる。

セミナー用のテキスト、マニュアルも英文で作成することが求められる。
そのためプロポーザル作成時に従事予定者の英語の能力評価項目がなくても、結局英文でそれらを作成しなければならない。
そして日本で独自に発展した制度や技術・文献もわざわざ英文に直さなくてはならないため、アサイン(従事期間)の少なさから結局欧米の文献を使用せざるを得なくなり、欧米の援助機関作成マニュアル等と変わらなくなる。
従ってセミナー等も欧米コンサルと類似内容となり、我が国独自の人材開発プロジェクト実施には至らない。

こうしたことに国民はもっと厳しく目を向ければ、ODA予算も相当の節約ができ、或いは相手国への根回しと始めから練られた計画に従ってプロジェクトを進めればから相手国、日本双方のために役立つコストパフォーマンスのよいODAが行えるようになろう。
同様のプロジェクトを欧米追従で単に欧米援助機関と棲み分けを図ろうとしても、上記のような理由で欧米の補助になるだけで”顔が見える”援助とはならない。

まず、この138億円の使い道及びその成果(JICA・コンサルの慣れあい事後評価は無意味)を検証していこう。


本当に有難うございます。励みになります。元々書くことは好きなのですが、一旦書き出すと長くなります。こんな時、絵心があればと思います。