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PDCAサイクルの歴史

PDCAサイクルの歴史を探るにあたり、
 Ronald Moen 氏の「Foundation and History of the PDSA Cycle」
を参考、引用し、自分の解釈をの述べたいと思う。

「Foundation and History of the PDSA Cycle」によると

1939年にシューハート氏によりシューハートサイクルが出現する。
シューハートサイクルは、①仕様決定②生産③検査のステップを直線的出来なく円を書くように進まなければならないと述べている。このステップは①仮説②実験③検証の化学的プロセスを構成している。

この時点では、サイクルは2次元的で行動を知識に換えるイメージだと感じる。

1950年にデミング氏によりシューハートサイクルを発展させたデミングホイールが出現する。デミングホイールは、①設計②生産③販売の3段階のステップに④マーケディング調査による再設計を加えサイクルを回す。各要素が常に相互作用する重要性をデミング氏は説いたとのこと。

この進化により、知識の最適化の要素が加わったと感じる。また、製造というよりはサービスというイメージ。

1950年に今井氏がデミグホイールをPDCAサイクルに再構築する。
①設計→計画(PLAN)②生産→実行(DO)③販売→チェック(CHECK)④研究→行動(ACTION)と置換し再構築されている。ACTIONによりPLANとDOのギャップをなくすように設計されており、不満な結果は、再設計し、満足な結果は標準化する。

この時点で、サイクルを回すスピードが格段に上がったように思える。また知識の集積化も始まり、サイクルの考えが3次元的になったように感じる。ここでは、サービスというよりは製造のイメージをもつ。

1951年に石川博士がPDCAサイクルさらに発展させる。
PLANでは目標やターゲットの決定。目標達成の方法の決定
DOでは教育・訓練が組み込まれた。
この考え方の背後には「コントロール」という概念があり、仕組み化し組織的に展開されている。またこの考えはQCに遡ることができ、現在の日本のカイゼンの礎となっている。

この時点では、知識の集積化が仕組み化され、サイクルを回せば回すほど磨きがかかるようになっている。

1986年にデミング氏がシューハートサイクルを進化させる。誤った結論からの保護をするために、統計的方法論の導入の必要性を示し、サイクルを回す際に知識の蓄積のステップを加えている。そこから1993年にPDSA(PLANーDOーSTUYーACT)サイクルを示した。

デミング氏は、PDCAのC:CHECKには、“to hold back”ためらうや尻込みするのような意味合いがあるの不正確だと警告している。

PDCAとPDSAには科学的手法のみで関連づけられると述べられているが、私は、知識の蓄積、集積化という共通点も持っていると考えている。そして、知識の蓄積、集積こそがPDCAもしくはPDSAサイクルを回す上で最も重要な要素だと思っている。
次回はこれらを踏まえて、私の考えを述べていきたいと思う。

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