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【一問一答】西条市長選挙ついてYoutubeで流れる情報は、参政党が発祥のものは大体がデマです だまされないで

西条市長選挙が迫る中、参政党の関係者などが発信する、現職や自民党籍の候補予定者に関する批判動画がYoutubeに上がっています。この中には、私が1年以上調べてきた、西条市にある「イーキウイ」という農業法人についての誤情報(デマ)が含まれ、それを元に一部の候補予定者を不当に貶めようとしています。
そのため、私が知る範囲で、このデマを払拭する正しい情報を発信したいと思います。

元の記事は詳細に書いているため非常に長いので、このページではQ&A形式で、数分で読める程度に簡潔にまとめました。詳細を知りたい方は下のマガジンをご一読ください。


「西条市は中国資本に農地や農道を売った!」

-「中国資本」はデマです。

下の図は、私が日本の会社登記簿、香港の法人登記データ、ニュージーランドの香港の法人登記データを、合法的に取得・閲覧した結果をもとに作成した会社の関係図です(2023年時点)。

筆者作成

まず、農地の所有者は外国資本ではなく、日本で登記簿登録されている日本企業の株式会社イーキウイなので、そもそも外国に売ってなどいません。農地所有適格法人になるために、議決権は日本人側が過半数になっています。外国企業側に黄金株があるけれども、これが「議決権要件を欠くもの、とは言えない」ことを農水省に確認済です。農水省のお墨付きで適法です。
イーキウイに49%出資した会社は香港で登記されていますが、その大元の会社はニュージーランドにあり、イーキウイの社長本人が株主・代表者です。一連の会社は、ニュージーランドのキウイ生産農業法人「JACE」のグループ企業です。したがって、会社の議決権に関わる資本金には中国人の資本は1元たりとも入っていません
なぜ香港で登記したかというと、それはニュージーランド人の社長のみ出せる答えですが、推測するに香港が法人税率の低いタックスヘイブンのため世界中で多くの企業がここに子会社を設立していることが理由のひとつではないでしょうか。
農林水産省の発表で「香港(中国)の企業」とされているのは、このような理由があります。
なお、日本人農業者株主に宮崎県の方が入っていますが、宮崎県には西条市と同じく、Jan Benes社長が代表となる関連企業「株式会社マイキウイ」があるため、その関係者と推測されます。


「市有地を市民に無断で売った!」

-正式な手続きをとっており、デマです。

まず基本情報として、市有地と言われますが、普通の市道ではなく農道です。農道や農業用水路は「法定外公共物」という扱いで、基本的に農家が自らが所有する農地に往来したり水田に水を張るために使うものです。
決して、一般市民が抜け道・近道として使ったり、ましてや「外国資本の農業法人がなにか悪さをしてないか監視する」ためにあるのではありません。
今回、イーキウイ社は耕作放棄地を含む細切れの農地を集積し、ひと続きの大型果樹園地として基盤整備するために、農地所有者一軒一軒と交渉し農地を買い受けました。そうして農道に隣接する農地の権利が全てイーキウイに移転したので、農地への往来のための農道は「公共の用に供さなくなった(農地所有者以外の人がそこを通らなければならない合理的理由がなくなった)」ことにより、市から農道の売払を受けることが可能になりました。

政治団体「日本第一党愛媛県本部」松木崇氏が情報公開請求し公開した書類
政治団体「日本第一党愛媛県本部」松木崇氏が情報公開請求し公開した書類

こちらの画像は、市民からの情報公開請求を受けて西条市が開示した、イーキウイへの農道の売払に関する書類の一部です。
農道に隣接する農地所有者すべてからの承諾を得、さらに土地改良区(地元農家が会員の、農業用の公共施設・水路管理団体)からも同意を得ています。農地所有者でない一般の市民は、本来農道を往来する合理的理由がないため同意を必要としません。
ですので市民に無断でというのは事実に反します。

非農家の方で、近所に田圃を何筆も地上げして大型商業施設や大型物流センターが出来たという方がいたら、市や事業者から「ここの農道を売ることに同意しますか?」などと説明を受けたことはありますか? そこの農地所有者でない限り、そのようなことは今までないと思います。
イーキウイの件でも、市はそれと同じことをしたに過ぎません。
なお、このイーキウイの件を最初に問題化した人物は、農地のある丹原町長野から7km以上離れた壬生川地区の住人の方だそうです。当然、この場所の農地を所有していない限り、農道の売払についてこの人物に説明する義務は市や業者側にはありません。

下図は、イーキウイによる農地の集約・整備前の状況です。白い線は売払対象の農道とされています。

農林水産省 eMAFF農地ナビより引用(加筆済)

そして次の図は、整備後の同じ農地の状況です(2024年現在)。区画整理がなされ、効率的な大規模農業に適した農地になっています。白い着色部分はネットを貼っている範囲です。

農林水産省 eMAFF農地ナビより引用(加筆済)
Goggle mapsに株式会社イーキウイが投稿した空撮写真


「玉井市長が中国資本を誘致した!」

中国資本でないのは先に説明しましたね。

-本当に誘致に貢献したのは、ニュージーランド視察団団長の愛媛県議会・明比昭治議員です。

まず、玉井市長が自ら「外国資本を誘致する」という公式の発言等が、市議会議事録等を調査しても見当たりません。
市議会議事録では、西条自民クラブ会派の佐伯利彦議員がイーキウイについて言及しています。佐伯氏は旧丹原町出身の農家でもあり、以前にもキウイフルーツかいよう病の被害による農家の負担軽減になる支援を市議会で訴えるなど、農家視点で議員活動しています。
そして2018年に、愛媛県議会はニュージーランドに議員団を視察に向かわせますが、団長は旧西条市出身の明比昭治議員です。

平成29年度愛媛県議会海外派遣(ニュージーランド)結果報告書より引用
平成29年度愛媛県議会海外派遣(ニュージーランド)結果報告書より引用

市議会議事録・県議会資料などの公的記録に基づけば、このニュージーランド資本の誘致に関わりのあったと見られる政治家の名前は、この2名です。

-明比昭治氏と高橋敏明氏の関係とは…

ところで、CozyBASEの2024年9月15日投稿の動画では、ニュージーランドに団長として視察に行ったのは「渡部浩」議員だと説明しています。渡部氏は旧東予市出身の議員ですので、地元でこの件に一定の関わりはあるかも知れませんが、渡部氏は視察には全く関係ありません。

そもそも、動画投稿者は自身の2023年1月のブログにおいて「明比氏がニュージーランド視察の団長だ」と書いているので、事実は知っているはずなのです。

ブログ「愛媛で健康にこだわった家を建てる」
【重要】愛媛県西条市が恐ろしいことになっています(2023年01月14日)より引用

以前にも「明比氏のニュージーランド視察」に言及していたのに、なぜ今になって「渡部氏」だと言い出したのでしょうか。

CozyBASEの動画投稿者は、西条市長選挙において高橋敏明氏を推していますが、高橋氏のFacebookでは明比氏と相互フォローしていたり、初めての投稿で互いにコメントしたりと親密さが伺えます。
ひょっとして、高橋氏の政界入りについて明比氏が何らかの働きかけをしたのでは、と感じます。
そして、推奨している高橋氏と友好的な人物に対して批判の矛先を向けるわけにはいかず、違う議員の名前にすり替えたのではないかと邪推してしまいます。
あくまで個人の想像ですが、皆さんはどう思いますか。

高橋敏明氏のFacebookより引用


このページは定期的にアップデートします

私はあくまで、このイーキウイの件くらいしかファクトチェックできませんが、これでわかるように、批判動画の発信者の情報はそもそも信用に値しません。ですので、丹原高校のこととかソーラーのことも、同様に眉唾に思ったほうがよろしいかと。

さらに動画で新たなデマが出てきましたら、引き続き反論を書いていきたいと思います。