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神と一体化している聖なるアボリジニ族☆中編

by わこ


続きになります。

豊かな自然の恩恵の中での流浪の旅


オーストラリア横断の旅 
初日

砂漠を始めてはだしで歩く。
鋭い草(!?)で足は血だらけになる。


歩きはじめてまもなく足に刺すような痛みを感じた。とげが皮膚から突き出ているのが見えた。鋭いとげを抜いても抜いても歩くたびに刺さってくる。片足でけんけん跳びしながら、もう一方の足からとげを抜こうとした。その動作が滑稽だったらしく、私のほうを振り返った一団がにやにや笑った。オータは立ち止まって待ってくれ、同情した顔でこう言った。「痛みは忘れることだ。野宿するときに抜けばいい。がまんすることを覚えなさい。なにか別のことを考えるように。後で足の手当てをしよう。今はどうしようもない」
「なにかべつのことを考えるように」という彼の言葉が私にはぴんときた。私はこの15年ほど鍼の専門医として数百人の痛みを訴える患者に接してきた。末期症状の患者は、無意志にさせる薬か鍼のいずれかを選ぶ必要に迫られることが多い。私が手がけた鍼の往診教育のなかで、私はこれとまったく同じ言葉を使ってきた。患者がそういうふうになれるよう願ってきた私が、今それと同じことを言われたのだ。言う方が実践より簡単だが私はなんとか実践しようとがんばった。

『ミュータント・メッセージ 』 <真実の人>族の教え  第3章 自然の靴より抜粋


この砂漠に生えていた鋭い草はビーチ・グラスと呼ばれるもので、葉がナイフのようにとがっているばかりか先端にサボテンのようなとげが出ている。

それが皮膚を突き刺すとヒリヒリして赤く腫れ上がる。幸いにも私は日焼けや裸足の散歩を楽しむ程度の半アウトドア派だったが、私の足の裏はこれほどまでの過酷な試練には慣れてなかった。なにかべつのことを考えようとしても痛みは消えず、明るい赤から黒ずんだ足はなにも感じなくなった。

『ミュータント・メッセージ』 <真実の人>族の教え 
第3勝自然の靴 より抜粋


奇跡の傷のいやし

初日の野宿でのこと。
不思議ないやしで足の痛みは薄らぎます。
足に謝り、感謝し、強く丈夫になるように歌って頼むんです!?

ひとりの老女が私のところにやってきた。……中略……
彼女は腰から蛇皮の袋をはずし、てのひらに無色のワセリンのようなものを取り出した。私の足を指すので、うなずいて手当してもらうことにした。彼女は私の前に座って足を膝にのせ、取り出した軟膏を腫れた足にすり込んで歌いはじめた。母親が赤ん坊をあやす子守歌のように心安らぐメロディだ。私はオータに歌の意味をたずねた。
「彼女はあなたの足に謝っているんだよ。あなたがどんなに足に感謝しているか言い聞かせている。このグループのみんながあなたの足に感謝している。だから早く治って強くなるようにと歌っているんだ。彼女は傷が治るように特別な音を出している。それから腫れが引くような音も。あなたの足がもっと強く丈夫になるようにと頼んでいる。」
 私の創造ではない。ひりひりと刺すような痛みは本当に薄らいでいき、私は安堵の思いに浸った。

『ミュータント・メッセージ』 <真実の人>族の教え  
第3章 自然の靴より   抜粋


自然はすべてを受容してくれる

自然との真実の調和

私は植物の優しさにとても感動しています。
植物は人類に大きく貢献していますが、
彼らの唯一の望みは私たちが植物に歌いかけることだと知って。

植物王国の目的は動物と人間に食べられること、土壌を流さないこと、美を強調すること、環境を調和させることにある。植物と木は私たち人間に静かに歌いかけていて、彼らは私たちがお返しに歌いかけることだけを求めていると教わった。それを聞いたときに私はすぐに自然界の酸素循環のことを考えた。動物の第一の目的は人間に食べられることではない。必要に応じて食べられることもあるが、第一には環境を調和させて人間の仲間、教師となることにある。だから彼らは行く手に待っている動物や植物に向かって毎朝メッセージを送るのだ。「私たちはあなたがたの道を通ります。あなた方の生きる目的に敬意を表すために。」仲間のだれが食べられるかは、動物と植物が自分たちで決めることだ。
 この<真実の人>族の行く手には必ず食べ物がある。彼らの祈りに宇宙はつねに応じるのだ。

『ミュータント・メッセージ』 <真実の人>族の教え
 第7章 社会保障ってなに? より抜粋


鳥が喜んで尊い身を捧げる

鳥の大群の中に彼らが放ったブーメランに、鳥たちが先を争い打たれようとするんです!?

遠くの山並みの片側を朝日がオレンジ色に染めたとき、鳥の群れが近づくのが見えた。とてもカラフルな鳥で、私が家で飼っていたインコに似ているがもっと大きい。はばたく無数の翼で青い空が隠れるほどの大群だ。ふいにブーメランのうなりが宙を飛び、鳥の話し声と入り混じった。鳥たちがいっせいに「私を、私を」とせっつくかに聞こえた。鳥は二羽、三羽と固まって空から落ちてきた。地上に落ちた鳥はどれも苦しんでいなかった。みんな即死だった。

『ミュータント・メッセージ』<真実の人>族の教え 
第15章 鳥の群れより   抜粋

どこからともなくものが現れる!?

神と共にある彼らは決して食べることには困らない。
私たちは日々の生活に追われるというのに……

<真実の人>族の目前にどこからともなくものが現れるのを見ても、もう私には驚きではないと思われるかもしれない。だが、一つ一つの贈り物に彼らが心から歓喜する姿は、私の人格を形成する要素のひとつとなった。
 そこには存在理由を讃えられたいと願っている巨大な動物がいたーー四頭の野生の駱駝(らくだ)。……中略……もともとオーストラリアには駱駝はいなかった。輸送手段としてここに連れてこられ、連れてきた乗り手は死に絶えたが数頭の駱駝が生き残ったのだ。
 部族全体が止まった。六人の見張りが分散して近づいた。三人が東から、残りが西から這(は)うように目標ににじりよっていく。それぞれブーメラン、槍、槍投げ器を持っている。槍投げ器は槍を飛ばす木の台だ。腕を振り上げ手首のスナップをきかせると、槍の飛距離と正確さが倍増する。駱駝の群れは雄一頭、成人の雌二頭、子供一頭で構成されていた。
 狩人たちは鋭い目で群れを一瞥(いちべつ)した。年とったほうの雌を取ろうとテレパシーで話し合ったと後で説明された。彼らはディンゴのやり方に見習い、弱った動物が発する合図を読み取るのだ。その日のために存在理由を讃えられたい、強いものが生き延びる糧(かて)となりたいという呼びかけを彼らは聞き取るらしい。言葉や手の合図なしに見事なタイミングで全員が突進した。駱駝の頭に鑓が刺さると同時に胸に刺された槍が即死を招いた。残りの三頭は早足で駆け去り、ひづめの音が遠ざかっていった。

『ミュータント・メッセージ』  <真実の人>族の教え 
第19章 びっくりディナーより  抜粋


そして……
ついにマルロは、死にかけるような最終テストを受けることに!!
続きは次回最終編にてご紹介します。
前編で紹介した「命を救う石」が大活躍しますよ。

粋な夜桜


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