見出し画像

パチンコで勝ったあと怒られた話

知り合いに何度か誘われるもまあ同じ動作を繰り返すのが苦手で、演出が面白いよ!とも言われるがいまいち琴線に触れないというか。パチンコやパチスロはどうにも自分はうまくハマれませんでした。いやハマらないほうがいいんでしょうけど……。 あ、でも今回のお話はパチンコやスロットを楽しんでいる人を貶すような記事ではないです。むしろちょっとだけ僕がパチンコにハマりかけた時のお話。

僕は生まれも育ちも愛知県なのですが高校は大阪のほうで寮生活をしておりました。スポーツ推薦?いえ違います、普通科です。僕は基本的に行動のベクトルがおかしいんです。年齢が落ち着きようやく自覚し始めました。

大学は地元の愛知に戻り適当なFラン大学に入って二日でやめました。その後、半年くらいちょこっとバイトしながらだらだら過ごしていたのですがその期間のお話です。

日本一周バカ

ある日、携帯が鳴りました。

「おー久しぶり!お前、暇な日~あらへん?今度愛知に寄るんやけど!一緒に遊ぼーや。」

高校時代の同級生でした。ちょっと呼び名をもじって以下「うえ夫くん」とします。どうも話を聞くと、高校卒業前の長期休みに免許を取っていたので卒業後は安い車で日本一周旅行をしているとのことでした。昔のマガジンのヤンキー漫画最終回その後みたいな事してんだね。

「いやあ、結構忙しくてさ……週2はバイト入れてるから週5くらいしか空いてないんだよね」
「空いてんじゃねーかボケ!もう〇日あたりに行くから空けとけや!」

こんなくだらない会話を交えつつ指定の日にうえ夫と僕は合流しました。
このまま♪どこか遠~くぅ♪連れてぇって~♪くれないぃ~か~♪(ハイロウズ)
「えっ?県外出てええんか?」
「やめて」

うえ夫の運転でいろいろと飯を食ったり高校時代や今の話をして盛り上がっていました。二人とも未来の話はしません、怖いから。

パチンコ初入店

「なあ、お前さ、もう18歳やろ?」

うえ夫が突然切り出します。

「あのさ、パチンコ入ってみぃへん?やってみたいんやけど、せっかくの名古屋やし」
「あれ18歳ってもうはいれるんだっけ?(名古屋関係あるのか?…)」

ちょうど郊外をドライブ中に目に入ったパチンコ屋にでかでかと18歳未満立ち入り禁止とあり、じゃあは入れるね!という事でさっそうと入ってみる事に。

入ったパチンコ屋はそこそこ広かったのですが結構ところどころがボロボロで、ただ二人とも言うほどお金がなかったのでお互い2000円使って負けたら帰ろうと決めて席に着きました。

あんまり詳しくないので間違っていたら申し訳ない。今のパチスロは記憶が正しければどこもカードを使う感じだったと思うのですが、僕らが当時入ったお店は古かったのもあってか500円硬貨を直接投入するタイプでした。多分。

硬貨に両替してひとつ……ふたつ……入れているあたりでとなりのおばちゃんから「目いっぱい右に回すと入らんからそこそこのとこで止めろ」との指示があり、言われた通り適当に調整すると3つ目の硬貨で台の液晶に映るおねーちゃんが水着に着替え始めました。

ん?なんだこれ?当たったのか。

そう思ったのも束の間、水着のおねーちゃんが水着も脱ぎだし(荒い画像で全然興奮しない)となりのおばちゃんが「あんた!大当たりだがね!箱もってきぃや!」と叫びながら箱を持ってきてくれました。持ってきてくれるんかい。ありがとう。

平日の昼過ぎだったのもあり、客はまばらだったのもあって店員や他の客も数人僕のところに集まってきました。うえ夫はどうも全部スったみたいだったので玉を一箱を渡そうとしたら「あ、うちそれダメなんです~」とやんわり店員に断られ、しばらく一人で打っていたのですがもうなんだかだんだん飽きてきてしまいました。

結局、もう少し出るから打てば?というおばちゃんを振り切り箱を抱えて換金しに行きました。ここからです。

「えっこれどうやって換金するんだ?」

とりあえず箱がめちゃ重いので店員に聞いて指定の場所に持っていくと謎の棒きれを数本を渡されます。いやなにこれ?は?金は?

しばらく唖然として、いやこれなにすりゃいいかほんとにわからん。もう一度店員をつかまえてこれどうすればいいのか聞くと外に出て曲がった先の建物で~と案内されました。

とりあえず建物を出て一周しましたが、よくわからないまま入り口まで戻ってきてしまいました。いやおかしい、これはもしかしたら騙されているかもしれない、店はぼろいし。えっだったら退店した時点でOUTなのでは?念のため、もう一周してみようと今度は注意深く回り始めたら……

ありました。マイクラのTNTひとつで吹き飛びそうな四角い建物が。あっこれかあ~と近づくとカーテンがかかっている小窓を発見。なるほど、ここで秘密の換金を行うのかとカーテンをよけてすみませ~ん!と声をかけながら小窓を覗いた瞬間でした。

「オイ!!コラ!覗くんじゃねえ!!!」

めちゃくちゃでかい声で怒鳴られて思わず身を引いてしまいました。あとで経験者に聞いたらどうも覗いてはダメらしいとかなんとか。

とりあえず棒を出したら数枚のお札と小銭が出てきましたが、まだブツブツ怒っているようで。ここで僕も換金できたんだからさっさと引き上げればよかったのですが「いや俺客なんだんけど……なんでこんなキレてんだこのおっさん」とちょっと頭にきてしまい、どんな面してんだコイツと舌打ちしながら僕はもう一度カーテンをよけて小窓を覗き込んでしまった。

「オイ!!コラァ!なにやっとるんじゃぁぁぁぁ!XXXXX!」

逃げた。少し小銭落としたけどお札を握りしめてわき目もふらずうえ夫の車へ。やばばやばあああ!やばいいいいいいいいいいいい!ちょっと顔見ようとしただけじゃん!それだけでXXXXX!ってやば、やべぇぞコイツ!

先に車で待っていたうえ夫は遠目から猛ダッシュする僕を見てなにか察したのかエンジンをかけてくれていて僕は乗った瞬間

「うえ夫!はよ出せ!はよぉぉぉぉぉぉ!!」

多分おっさんも追っかけてきてはないと思うのですが……とりあえず僕は無事逃げきれたのでした。めでたしめでたし。しばらくしてうえ夫が

「なにしたんか知らへんけど金は?」
「ああ……一万円と……ちょっとあるよ。ハァハァ」

「お前の金やし好きにしてええけどー。とりあえず飯でも食わへん?」
「……いやうえ夫、あのさ。俺、わかってきちゃったんだよね。多分行けるぜパチンコ。この一万円でさぁ……違う店……行こうぜ。」

「ええっ?わはははは!アホやろ!そんなら別のとこ、行こか!」

ーーーーーーーー

その後の結果はお察しください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?