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インターンシップで死ぬほど働いた話

ですます調、少しめんどくさくなってきたので試しにやめてみます。印象悪く感じたらごめんね。

僕は高卒後、ちょっと寄り道してからIT系の4年制専門学校に通っていたのだけれど3年生が始まるくらいにはもう就職の話をちらほら学生間でもするようになっていた。2年制の同級生はもう卒業して就職をしていたからである。

僕が入学した学校は自分が思っていたよりも随分就職活動のサポートが手厚かった。まず特に問題なければほぼすべての生徒が3年生の冬、2か月ほどインターンシップに参加させてもらえてそのあとも就職相談に行けば個別に対応もしてくれる。休憩時間中等に「いついつにここの会社の就職説明会があるから興味あったら行っとけよー」みたいな呼びかけもされたりしていた。

今回はそのインターンシップのお話。

インターンシップ先

前述したインターンシップは指定された期間内に一斉に皆選んだ会社にインターンシップに参加し、なにか問題や理由があって行けなかった生徒は学校で補習をするシステムだった。体感だが補習していた生徒は数えるほどしかいない。

そしてそのインターンシップ先は募集数より希望生徒が多いと抽選になってしまうので、当然聞いたことがあるような人気がある会社は取り合いになっていた。中にはイベント会場の設営現場やパチンコ屋など、学業に関係のなかった職種もあって抽選漏れが連続してしまうとこちらに配属されそうだった。(職業としては問題が無いと思いますがIT系の勉強をしてきているのでできればシステム開発業界に関係ある会社に参加したいという事です。)

僕は人気がある会社は避けて聞いたことが無いけどとあるシステム開発会社で、募集人数1名の会社に希望を出した。募集人数が1名の会社を選択したのは他の人は他者と被った時が怖くて意外とみんな選ばないだろうと思ったからで、それがうまい事当たって僕はすんなり希望の会社にインターンシップへ行けることになった。

インターンシップに行き始めた会社は社員数はそこそこだったが開発は客先常駐が多く、社内では別室で職業訓練校をやっていた。僕はその職業訓練校に関する簡単な資料やテキストに少し関わる仕事をさせてもらえた。

二週間くらい経っただろうか、会社のお偉いさんから「君、FLASHって知ってる?FLASHを使っている仕事のほうが今人員足りなくてさ」と切り出された。

今年終了するサービスなのでご存じの方も多いと思うがそのFLASHである。FLASHは当時学校でもがっつり履修する授業もあり、個人的にもFLASHアニメを作ってテレビ局のCMコンテストなんかに応募(落選したけど)したりなど興味があったので是非やりたいと返答した。

「おおそうか!じゃあちょっと準備してもらえる?東京だからさ」
「!?」

今いる会社は名古屋である。少し面くらったが学校に連絡しても配置転換は本人が希望すれば問題ないとのことだった。東京への旅費はもちろん、生活する部屋代なども全部出してくれるという条件だったのでもう全然OK!という感じでウキウキと出発した。それから一か月とちょっと、地獄を見ることになる。

トーキョウ

結構大規模なシステムを作っているとの前情報だったのだが地図の場所にあったビルは3階建てのこじんまりとしたものだった。しかもそのビルの一室で開発しているという。中に入るとオフィスには3人しかいなかった。

自己紹介をされたがプロジェクトマネージャー(PM)、プログラマ、エクセル見ているだけおじさんの3人だけである。エクセル見ているだけおじさんは以後、存在しないものとして扱う。

業務経験皆無だった僕でも直感で「これは、やばい」と感じた。聞いていたクライアントは多分日本人で知らない人はいない企業である。でも突然帰るのもまずいのでとりあえず荷物を置いてから話を聞くことにした。

僕が寝泊まりする予定の部屋はなんと会社の隣の物件だった。呼ばれたら数十秒で会社に出勤できる。とりあえず荷物を置きに行ってあらためてPMの話を聞いた。

もともと今回の開発はVisual Basic(VB)という開発環境で進めていたとの事だった。たぶんこのVBでつくられたシステムは名前は知らずとも世間一般で一度は見たことあるんじゃないかってくらい巷にあふれている。今は知らないけど。

このVB、開発がとても楽で逆に楽すぎて問題が発生するくらい楽なのであるがとりあえずそれは置いておく。どうもクライアントの偉い人がVBで作った見た目がありきたりで気に入らず、どうせならかっこいい見た目がいいだろう!という鶴の一声で側(インターフェース)をFLASHで急遽やる事が決まってしまったとの事だった。

そして肝心のシステムの内容は……実際は違う乗り物なのだが明言は避けたいので仮に飛行機とする。

例えばこんな航路は無いと思うのだが札幌から出発して那覇が目的地、一度大阪を経由するルートがあるとしよう。

従来のシステムでは「経由した大阪から乗り込んで那覇まで行くお客さん」がいた場合、札幌-大阪間の座席が空席になってしまうのでおなじ座席に「札幌で乗って大阪で降りるお客さん」を入れる事ができるようにしたいという事だった。

僕はそのシステムのインターフェースのカレンダーから直接その日の設定画面に飛べるページの画面部分を任された。もともと僕はFLASHにアクションスクリプトというコードを書いて動かす事ができることは知っていたが、せいぜい作った絵を指定した場所に動かすみたいなものくらいしかやったことが無かった。こんなシステム周りの事いきなりやれと言われても……でもやるしかないので許可をもらって本屋で2,3冊スクリプトの本を買ってスクリプトを組み始めた。

とりあえずところどころ作っていてつっかえたがカレンダーの見た目は作成できたので仕様書を改めて見なおして驚愕した。

イラストnote

あわててPMに確認しに行った。え?SE?いるわけがない。PMがプロジェクトリーダーとSE兼任してるんだよ3人しかいないんだから当たり前でしょ。

「すみません、これだとサムネイル用のカレンダーの素材も無いと……」
「え?縮小かけるだけじゃ無理なの?」

カレンダー、例につかった画像はWindowsのそのまま拝借しているが実際は休日と平日でボタンの色が違うのでまず2種類の画像を読み込んでその上でカレンダーの数字を乗っけて疑似的にボタンを作っている。

イラストnote2

サムネの数字の位置と下の画像が単に縮小かけるととんでもなく位置がズレる。どうやってもズレるのでいろいろと四苦八苦した。

ここで結構工数がかかってしまい、どうにも悩んでいた時にえらいことになった。メインプログラマのおっちゃんがインフルエンザにかかって出勤できなくなったのである。PMにあまり構ってもらえなくなったのでますますやばい事になってきたが、超苦戦してさらに日数を消費した挙句にインフル明けのプログラマのおっちゃんが秒で解決してくれた。僕要る?って感じだった。

あとは作ったインターフェースをシステムに組み込んでもらうだけなのだがプログラマが寝込んでいた分遅れていたので、ある程度できる範囲でいいから君だけで進めてくれとPMに連結の仕様を渡された。この座席予約部分を扱うVBのシステムから僕が作った画面を呼び出せるようにすればいいのか……ふむふむなるほど……あれ?VB?気になって質問をしてみた。

「あの……僕が作ったカレンダー部分もVBでやればいいのでは?」
「わかってんだよ!そんなことは!」

応援の手配に忙しいPMの邪魔をしてしまった。そのあとはかなり状況がやばいという事で結構な応援が来て、いつの間にか狭い部屋に10人くらい出入りするようになっていた。僕は名古屋に帰る予定の三日前くらいは自分が作ったところの質問されたら対応、みたいな感じでほぼなにもしていなくてよくなった。ここらへんは内部レビューなんかが経験できたので楽しかったし為になった。

ちなみに僕はのちに3~4年ほど就職して会社に通っていた時期があるがその3~4年の総残業時間とこの一か月のインターンシップでの残業時間を比べたら後者のほうが圧倒的多かった。ひええ。

最終日の帰り際、PMに「就職先が見つからなかったらウチ来いよ!」と笑顔で打診されたが笑顔でお断りした。

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