ヤフオクのナイジェリア詐欺
ナイジェリア詐欺の発端は、2000年代のebayだったと記憶している。概ね以下のような流れの詐欺だった。
出品者に対して、メールでの直接取引を持ちかける。
偽の現地銀行の入金完了メールを送る。
「追跡番号を連絡すると、出品者の銀行口座に入金される」と嘘のメッセージを送る。
出品者が商品を発送してしまう。
「追跡番号を伝えれば入金する」などというサービスを行っている金融機関は世界中のどこにもない。追跡番号なんて、別の荷物の番号を伝えることができるし、商品の代わりにゴミを入れて送ることもできる。追跡番号を伝えたところで、実際に出品した商品を送ったという証明とはならないからだ。
この流れの詐欺は、商品の発送先がナイジェリアだったので、ナイジェリア詐欺と呼ばれるようになった。これがしばらくして、ヤフオクに飛び火した。ebayでは既に対策がされてナイジェリア詐欺の話は聞かなくなったが、ヤフオクでは10年以上前から現在まで続いている。
ナイジェリア詐欺のよくある例
・アカウントが新規
・連絡先にフリーメールやLINEを指定する
・相場より高い金額での直接取引を持ちかける
・質問の回答を直接連絡先にするよう持ちかける
これらの項目に当てはまる質問が来たら、それはナイジェリア詐欺。
昔は、英語で相場よりもかなり高い金額で直接取引を持ちかけてくるのが定番だった。しかし、最近は質問が英語から日本語になり、質問内容も直接取引を持ちかけるだけでなく、何かしらの質問の回答を直接連絡先にするように要求するようなパターンも見られるようになった。これは英語での質問がブロックされるようになったのが原因かと思われる。
メールやLINEで連絡を取ってしまうと、先に書いたような流れになる。ヤフオクの場合、商品の送り先はナイジェリアではなく、マレーシアなどの東南アジアが多い。そのため、マレーシア詐欺とも呼ばれている。
ナイジェリア詐欺を見抜くポイント
即決価格や相場より高い金額を出せるのであれば、落札して買えばいい。出品者に直接取引を持ちかける必要はない。
直接取引するから、相場より手数料分安くしてほしいというのであれば、まだ話は分かる。実際、引き取り限定の商品などで、そのような事を言ってくる人はいる。しかし、即決価格や相場より高い金額で直接取引するというのはあり得ない。
相手が外国人なので乗ってしまう人がいるようだが、外国人がヤフオクの商品を購入する場合、入札代行業者を介して落札するのが普通。外国人向けにヤフオクの入札と海外への発送を代行する業者は大量に存在する。本気でその商品が欲しい外国人が、ハイリスクな直接取引を持ちかけてくるようなことはない。
悪いのはヤフー
ナイジェリア詐欺を持ちかけるアカウントは、しばらく経つと「停止中」になる。しかし、ナイジェリア詐欺はなくならない。それは匿名でアカウントを無限に作成できるからだ。アカウントを無制限に作成できば、アカウントを停止にしてもキリがないのは当たり前の話。アカウント作成時に本人確認を行わないヤフーに根本的な問題がある。
出品者にできる対策
・新規とは関わらない
・直接連絡は取らない
ヤフーはアカウント作成時に本人確認を行っていないから、取引履歴のない新規アカウントは只の匿名さん。匿名アカウントは、いたずらや詐欺に利用されることが多い。関わらないほうが無難だろう。
「車やバイクの出品で現車確認がしたい」といったケースを除いて、直接連絡を取らないのも重要。連絡は質問欄でのやり取りのみにした方が良いでしょう。
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