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#10 信越トレイルを歩く【まとめ】

これから信越トレイルを歩こうと考えている人に向けて、#1~9までの内容を簡単にまとめます。全て自分の体験に基づくのであくまでご参考程度に。

スケジュール

10月下旬、ウェストバウンドで苗場山から4泊5日で歩いた。苗場山へのアプローチを含めると5泊6日になる。個人的に縦走を急ぎすぎた感があるので、あと1~2日ゆとりを持ちたい。

1日目 苗場山→4h小赤沢→3.5h結東(かたくりの宿) 18.2km <秋山郷区間>
2日目 結東→4h森宮野原→3.5h天水山→1.5h野々海高原テントサイト 30.6km<天水山から縦走>
3日目 野々海高原テントサイト→6.5h関田峠→4.5h戸狩温泉星降るキャンプ場 27.0km<縦走>
4日目 戸狩温泉星降るキャンプ場→8.5h赤池テントサイト 23.9km <縦走>
5日目 赤池テントサイト→2.5h斑尾山 5.2km(公式は8.5km) <縦走+登山>

前半の秋山郷区間から森宮野原まではのどかな里の風景。地域の人とのコミュニケーションも楽しめる。後半の縦走区間はブナの自然林と雄大な風景が魅力。自分の場合、力量以上のタイトなスケジュールにしてしまったので縦走区間は結構疲れた。スケジュールに余裕を持ちたい。

公共交通機関

自分のように、信越トレイル事務局のなべくら高原・森の家に寄ろうと考えている人、かつ新幹線以外の手段で移動しようとしている人向け。
A. 苗場山まで
JR飯山線時刻表 桑名川駅→森宮野原駅
南越後観光バス時刻表 森宮野原駅→越後湯沢駅
ゆざわ魚沼タクシー 越後湯沢駅→登山口和田小屋
B. 斑尾山から
長電バス ※季節限定 斑尾高原ホテル→飯山駅
長電バス 乗り合いタクシー温井線時刻表 飯山駅→森の家
※今回④ではバスが運行していなかったのでタクシーを利用

テントサイト

信越トレイルで利用できるテントサイトはこちら。以下は僕が泊まったところの簡単なレビュー。

①かたくりの宿 1,000円(温泉600円)
ルート上にあり、全てがそろっている場所。温泉が何より嬉しい。
〇トイレ、水、充電、行動食、温泉

②野々海高原テントサイト 1,000円
ルートから外れて10分ほど歩く。トイレは仮設のものだった。水道は池から水を引いているので浄水器が必須。寒い。
〇トイレ、水 ×充電

③戸狩温泉星降るキャンプ場 3,000円
ルートから外れて30分ほど歩く。水をどこから引いているか分からないが、水回りに藻がびっしりと繁殖していたので浄水器推奨。トイレがきれい。コンセントもあり。自販機もあるが冬期のみ稼働。
〇トイレ、水 △充電、自動販売機

④赤池テントサイト 1,000円
ほぼルート上にあり。テント場からトイレまでは少し歩く。トイレの中にコンセントあり。水は池の水なので浄水器必須。一番寒い気がした。
〇トイレ、水 △充電

温泉

楽養館とかたくりの宿。どちらもルート上にあり嬉しい。他にも信越トレイル周辺にはたくさんの温泉がある。僕の場合、歩き終わった後に斑尾高原ホテルの温泉や野沢温泉に入った。特に野沢温泉は硫黄好きな人にとってはおすすめ。

費用

■交通機関 約15,000円
桑名川駅→¥230森宮野原駅→¥1,030越後湯沢駅→¥7,500登山口和田小屋///斑尾高原ホテル→¥5,000飯山駅→¥700森の家
■食事・食料 約4,000円
■テントサイト 6,000円
■山小屋泊 7,000円 
■温泉 1,100円(楽養館500円、かたくりの宿600円) 
※ほかに斑尾高原ホテルの温泉と野沢温泉に入ったがカウントせず
計35,000円ぐらい

必須アイテム

浄水器とモバイルバッテリー。縦走する数日間は町に下りないので山の中の水を飲むしかない。基本的にテントサイトで水を補給するが飲料用ではないため浄水器が必要となる。山の中には電気もない。テントサイトにコンセントがあるところもあるが、勝手に使用していいか分からない。たぶん良くない。なのでモバイルバッテリーも常備すべき。ハイキング中機内モードにすれば、10,000Aあれば十分と思う。また夜は寒いので寝るときの防寒対策を考えた方がいい。軽アイゼンはいらなかった。

なべくら高原・森の家(信越トレイル事務局)

信越トレイル事務局が入っているなべくら高原・森の家はルートから4kmほど下りたところにあるため、ハイカーでさえ立ち寄る人が少ないみたい。でも、個人的な意見としてはぜひ立ち寄りたい。歩く前でも後でもいつでもいいから。信越トレイルに限らないけれど、どのトレイルにも作られた経緯があり、そこに携わった人の想いがあり、歴史がある。僕たちはそこを歩かせてもらっている。歩いているだけでは気づけなかったことが、事務局に入ればもっと気づけるだろう。その部分を押さえておくと、自分の体験がもっと深くなるはず。だから、できるだけ時間を作って立ち寄りたい。下の写真は信越トレイルを構想した加藤則芳さんのAppalachian Trail踏破証だ。この中の一文がとても感動した。最後にその一文を引用して、このシリーズを終わらせたいと思う。

ATC assumes that those who apply have made an honest effort to walk the entire Trail, even if they did not walk past every white blaze.
AT管理委員会は、踏破証申請者がアパラチアントレイルと真摯に向き合い、全区間を歩くために最大限の努力をしたことを認めます。たとえ、全て歩いていなくてもです。(意訳含む)

加藤さんかっこいい

証拠はいりません。証明も不要です。あなたが申請をするということは、きっとそうなのでしょう。私たちは実際に全部歩いたという事実より、あなたが全線踏破に向けて真摯にアパラチアントレイルと向き合ったことを尊重し、そこに価値を置きたいのです。と言っているようだ。実際は形式的な何気ない一文なのだけれど、その形式の中にも温かみを感じる一文ではないだろうか。

以上になります。
ここの情報が少しでも役に立てば嬉しいです。


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