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2021 横浜DeNAベイスターズ戦力分析⑤

皆さんこんにちは。いよいよ今日からオープン戦が始まります。天気が若干心配ですが、無事に開催されるといいなぁなどと思いながらこのnoteを書いております。
さて、2021戦力分析シリーズもいよいよ最終回ということでここまでお付き合いいただいた皆様ありがとうございました。ラストは先発投手・救援投手編です。だいぶボリュームのあるものになってしまい、それでもまだまだ描き足りないところに自分の投手好きを実感しました。是非、最後までお付き合いください。以下第一弾~第四弾です。

10.先発投手

2020 先発投手Ⅱ

こちらは昨年の横浜の先発投手だけを切り抜いた成績になります。RSAAは平均的な投手陣に比べどの程度失点を増減させたかをFIPベースで表したものです。野手編同様こちらの記事より引用させていただきました。

これを見ると昨年の横浜先発陣は平均より1点失点を増やしていたということがわかります。その他数値を見ても投球回は例年通り低く、ハマスタ本拠地のため三振をとれる投手やグラウンドボーラーを中心に起用していることがわかります。例年強みになっていたはずの先発投手が振るわなかった昨年ですが、その原因はどこにあるのか、より細分化して見ていきたいと思います。

2020 先発投手

上の図は昨年先発経験のある全11投手を1つにまとめたマップです。横軸は投球の量(投球回)、縦軸は投球の質(xFIP-)、円の大きさがそれらを総合した貢献(WAR)を表しているものです。これを見ると投球回の上位6名はリーグ平均程度かそれ以上の質で投球していたことがわかります。しかし、チームで最も質の高い投球をしていた今永昇太投手2番目に質の高かった平良拳太郎投手の2人が故障離脱した影響で投球回が伸び悩み、その分を平均以下の質の投手に割り振ったことで、結果的にチーム全体として先発投手の貢献が伸び悩んだと言えそうです。

2020 先発投手Ⅲ

こちらは各投手の詳細な成績です。”量”の面でチームに貢献してくれた大貫晋一投手がチーム唯一の2桁勝利を挙げています。やはり”質”の面では平良・今永両投手が抜けていたことも分かります。
さて、今期は昨年チーム2番目の投球回を投げた井納翔一投手が国内FA権を行使し巨人へ移籍しました。さらにエース・今永投手は昨年に受けた肩のクリーニング手術の影響で開幕には間に合わない見通しです。また、2018年新人王の東克樹投手もトミー・ジョン手術の影響で復帰は早くても夏以降でしょうか。今永・東両投手に関しては球団も焦らせないという方針ですので、現時点では戦力換算はせずに話を進めていきたいと思います。

球団としても先発投手不足を見越してかドラフトでは1位で明治大学の入江大生投手を指名、さらに新外国人としてF.ロメロ投手を獲得しています。入江投手は187cmの長身からMAX153km/hの直球・スライダー・カットボール・フォーク等を投げ分ける本格派右腕。1つ1つの球種の精度を高めるだけでなく、投球の構成や意図等を磨いて先発投手らしい投手へとブラッシュアップしていってほしいと思います。

ロメロ投手は圧倒的な平均球速を誇るツーシーム系のボールを武器に高いゴロ生産能力をもつ右腕です。僕は投げてるところを見たことがないので、詳しくはわかりませんがMLBレベルでも圧倒的な尖った長所を持つタイプなのでいかにその長所を殺さずに日本球界に適応できるかが鍵でしょうか。

昨年の先発陣にこれら投手を加えてローテーションを回していくということになりそうです。
実際のローテーションですが、ロメロ投手がまだ来日できていないことを踏まえて確定と言えるのは大貫投手・平良投手・濵口投手・上茶谷投手の4名でしょうか。大貫投手以外の3投手はプロ入り後、故障離脱の経験がある選手なのでまずはそれぞれ怪我無く1年間投げ切ることを目標にしてほしいと思います。
ここに加えてローテーションを狙っているのが昇格候補で挙げさせてもらった高卒5年目・京山将弥投手4年目・阪口皓亮投手です。京山投手は2年目に6勝を挙げた期待のプロスペクト右腕。昨年は故障もあり、ファーム成績はイマイチでしたがノビのある直球とカットボール・スプリットを軸に現代的な構成ができる本格派右腕です。

今日のオープン戦初戦の先発を任されるなど、首脳陣の期待も厚いため結果で応えてほしいと思います。

一方阪口投手は187cmの長身からカット質の真っ直ぐ・カットボール・スプリット・カーブ等を投げおろすスタイルの投手です。

昨年ファームで61イニング投げて被本塁打1という数字が示すようにチーム屈指のグラウンドボーラーであり、ハマスタ本拠地のチーム特性に合う投手だといえます。ローテーションを掴み取りまずは初勝利、その後2勝目・3勝目と積み重ねていけるシーズンにしてもらえればと思います。

11.救援投手

続いて救援投手を切り取った成績を見ていきましょう

2020 救援投手

こちらを見ていただければわかるように、昨年の横浜ブルペン陣は軒並みリーグ上位の好成績を残しています。特にK%やHR/9といった面では2位以下に大差をつけての1位でした。結果的にリーグ平均に比べて44.3点失点を減らしていた救援投手は昨シーズンの横浜において圧倒的なストロングポイントだったと言えます。以下、詳しく見ていきましょう。

2020 救援投手Ⅱ

こちらのグラフは先発投手同様救援投手の貢献を質・量両面から一元化したものです(昨シーズン1軍登板5イニング以上)。三嶋一輝投手・石田健大投手の2人が質の面で抜けており質・量を兼ね備えたE.エスコバー投手質は平均的ながらも量を投げてくれたS.パットン投手…といったことがわかるかと思います。
また、こちらのグラフから30イニング以上投げた9投手とそれ以外の投手というブルペンの二極化が進んでいたことも分かります。30イニング以上投げた9投手は概ね平均~平均以上の質を保っていたので一概に悪いことだとは言えませんが、フレッシュな投手が投げた方が良いパフォーマンスを発揮するということもあるので、もう少し流動的な運用をしてもよかったのかもしれません。

2020 救援投手Ⅲ

こちらは詳細な成績です。改めて全体的なレベルの高さを感じます。絶対的な守護神・山﨑康晃投手の不調があってなお、ハイパフォーマンスな投手陣です。リリーフは年度ごとの成績変動が激しいポジションですが、今年も一定以上の計算はしていいのではないでしょうか。
懸念点があるとすれば外国人投手の不在でしょう。昨年セリーグの登板数1位2位を独占したパットン投手とエスコバー投手の2人。パットン投手は昨シーズン限りで退団ということになり、エスコバー投手は来日のめどがついていない状態です。上のグラフからも分かるように質の面で抜けていた三嶋・石田両投手を比較的丁寧に扱えていたのは、両外国人に負担を押し付けていたことによる部分も大きいです。今シーズン、日本人のみでの開幕となる中でその役割を誰が担うのか。新監督の運用とともに注目していきたい点です。リリーフは駒数がものをいうポジションです。山﨑投手・三上投手・砂田投手といった実績組ルーキー池谷投手、さらに昇格候補に挙げた笠井投手・櫻井投手現状リハビリ組の進藤投手・齋藤投手等1人でも多く1軍の舞台で投げてほしいと思います。

参考サイト・Twitterアカウント(敬称略)
1.02 Essence of Baseball https://1point02.jp/op/index.aspx
プロ野球データFreak https://baseball-data.com/stats-farm/hitter-yb/
日本プロ野球RCAA&PitchingRunまとめblog https://ranzankeikoku.blog.fc2.com/blog-entry-2862.html
ドラフト・レポート https://draftrepo.blog.fc2.com/
BIG6.TV(@big6_tv)
Deひじり(@6dohHijiri)
Deファン(@DeNA_2017)


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