人は無意識に「美人投票」をしている

ケインズという経済学者が、株式投資を「美人投票」に見立てた話は有名な話なので、知っている人も多いと思う。

ケインズは、玄人筋の行う投資は「100枚の写真の中から最も美人だと思う人に投票してもらい、最も投票が多かった人に投票した人達に賞品を与える新聞投票」に見立てることができるとし、この場合「投票者は自分自身が美人だと思う人へ投票するのではなく、平均的に美人だと思われる人へ投票するようになる」とした。

ウィキペディア「美人投票」より


誤解されがちだけど、これは「玄人筋の行う投資」が重要で、
投資全般ではなく、ベテランやプロといった投資家たちが取る行動だということ。

別けて考えると、

投資の素人・・・自分が美人と思う人(有望だと思う株)に投票する

投資の玄人・・・他の人が美人と思いそうな人(他の人が有望と思いそうな株)に投票する

つまり「玄人は自分の視点では考えていないのだよ(byケインズ)」というところがポイントなんだと思う。

「主観的な判断」ではなく、「客観的な予測」に基づいて行動する。それが投資の成功法則、ということになる。

この傾向は投資以外のことにも当てはまると思う。たとえば買い物をするときでも「これはどれくらい人気がある商品なのか」を気にする人は多い。

テレビCMとかは、無意識に”美人投票的な判断”を促す効果がある気がする。マーケティングの人はもっと上手く説明できるかもしれない。

もっと大きい選択だと「進学する学校」とかも、美人投票的な側面がある気がする。
自分が行きたい学校ではなく「世間からの評判がいい大学」を選らぶ、みたいなことも似ている。


この話、とくに言いたいことがあって書いているわけではなくて、何となく書きながら考えている(おまけに今は超絶寝不足)ので結論はない。

ぼくとしては、みんなが選びそうな人を予測するタイプより、自分がいいと思った人に投票するタイプの人のほうが好きだ。(女性のタイプではなくて、投票する人の思考のタイプが)

これからの時代は主観を押し通す強さを持っている方が成功しそうな気もする。

でも、主観的な判断で投票する人は、株式投資ではうまく行かない。ケインズさんが指摘した通り。
ぼくは株式投資家とは仲良くなれないのかもしれない。

話が脱線するけど、ぼくも株式投資はやっている。というか、なんちゃって資産運用といったほうが近いような代物。それでも、いまのところの運用成績は悪くない。少なくとも損は出ていない。

これを聞いたら、ケインズさんはなんて説明するだろう?

ここで、基本的に主観的判断で行動しつつも、経済合理性においては客観的(美人投票的)な振る舞いをすることは可能か? という疑問が湧いた。

答えは簡単で「可能」だと思う。
というか、ほとんどの現代人は、主観と客観を場合によって使いわけて生活しているはずだ。

人は無意識に「美人投票」をしている。

今日の結論が出ました。

おしまい

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