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病気の事 Vol.4

緊張感のある打ち合わせが始まったことは前回書いた。

主治医はとても小さな女医さんで、しかも童顔である。
見た目は女子高生といっても良いくらいの人だ。
ところが芯が強い。とても強い。
黒縁眼鏡をかけているのだが、その向こうの目は鋭く周りを観察している。
とても信用できる医師だ。

医師は、持って来たノートPCに、まずはCTの画像を写した。
素人目には何も異常が見つからない。

ところがMRIの画像を見て驚いた。

向かって右に黒い空間がある。
そこは髄鞘という神経があるはずのところなのだが
まるっきりなくなっているているそうだ。

この髄鞘は主に手足への運動情報をつかさっている器官だそうだ。
だから手足がほとんど動かない。

近くに大きな血管がある。
低ミネラル血症になっていて、そこに大量のミネラル成分がくると
髄鞘との浸透圧の均衡が崩れ、一気に髄鞘が崩壊する。
そういう病気だった。

ボクはしゃべれなかったので、筆談だった。

まずは「お金は」と書いたらすぐに義父が「それは全部うちが払うから心配するな」
と即答した。本当にありがたい人だ。

次に「なおるの」とかいたら
主治医が間髪入れず「歩けるようになった人もいえるから心配しないで」と
これも即答だった。

「歩けるようになった人もいる」という事は
ほとんどの人は寝たきりなんだろうなと思った。

そこでこれからの治療方針が示された。
・ビタミンBを24時間連続投与を1週間おこなうこと
・すぐにリハビリを開始すること

どうせダメでもやるしかない。
腹をくくった。

その後の事はまたあとで。

ではまた。

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