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ばんえい日記 2023.12.3(十勝産駒特別・ばんえいオークス)

12月3日は10レースに十勝産駒特別、11レースにばんえいオークス(BG1)が行われました。

十勝産駒特別

十勝産駒特別はばんえい甲子園の最終戦、産駒特別も第5弾となりましたが、ここが一番の激戦区です。メンバーは牡馬トップでナナカマド賞馬のホクセイポルシェ、牝馬トップのスマイルカナに加え、ナナカマド賞2着のアヤノダイマオーや、ウルトラコタロウ、ホクセイハリアーなど2歳上位層が集まった一戦でした。ここ2ヶ月ほどで賞金を加算してきた馬もいて、実績と成長力のぶつかり合いのような印象でした。 

1番人気はやはりホクセイポルシェ。ナナカマド賞は逃げ切りの完勝、その前哨戦の青雲賞でも勝っており、混戦模様の2歳戦でトップ扱いされています。あれちくPOGでの僕の指名馬であり、第1回能力検査から追いかけ続けています。

ホクセイポルシェ

そしてそれに次ぐのはスマイルカナ。2歳馬賞金ランキングでは3位、牝馬ではトップです。特別戦では毎回惜しい競馬ですが、確実な末脚が魅力です。パドックでもふりふりしててかわいいです。

スマイルカナ

3番人気はアヤノダイマオー。白い顔が特徴的です。青雲賞3着、ナナカマド賞2着と、特別戦では安定した成績を収めています。

アヤノダイマオー

4番人気にウルトラコタロウ。平場でも近走は着順が大きいですが、ふとした時に激走するので怖い馬です。ホクセイポルシェとは能検で同じレースを走っていて、ウルトラコタロウが2着ホクセイポルシェを44秒ちぎって1着。走りっぷりは最初から注目されていました。

ウルトラコタロウ

5番人気がホクセイハリアー。こちらはハート型の流星が人気の馬です。主戦が渡来騎手ということもあり、積極的な先行策が多いです。

ホクセイハリアー

馬の紹介はこの辺で割愛させてもらって、レースにいきましょう。レースはやはりホクセイポルシェが先行、次いでウルトラコタロウ、ホクセイハリアーあたり。第2障害を先に切ったのはウルトラコタロウ。追いかけるようにホクセイポルシェ、アヤノダイマオー、ホクセイハリアーが仕掛けます。下りてからはウルトラコタロウとアヤノダイマオーの争い、ホクセイハリアーは粘りますが後退、そして3、4番手にホクセイポルシェが追い込みます。結局1着はウルトラコタロウ、2着はアヤノダイマオーでした。そしてホクセイポルシェと追い込んできたスマイルカナが写真判定となりましたがホクセイポルシェが3着。

ゴール前

ウルトラコタロウとアヤノダイマオーがヤングチャンピオンシップの出走権利を獲得しました。ナナカマド賞馬ホクセイポルシェは敗退、2歳三冠の夢はここで絶たれました。

ホクセイポルシェは負担重量増加を避けるために、ナナカマド賞から直行でした。この間に砂障害がなくなり、馬場も変わりました。中間本走路に入れたとは言いますが、やはり他馬よりはレース勘が鈍っていたのかもしれません。また、ナナカマド賞で10kg差あったアヤノダイマオーは今回5kg差でしたので、これで負けるかぁ…という感じです。
毎年産駒特別は実施順を順繰りしているため、昨年は十勝が最初だったのか今年は最後になりました。そのため、ナナカマド賞のあった10月からレースを使えなかったホクセイポルシェよりも、他馬の成長が上回ってしまったのかもしれません。

そして西謙一騎手は、個人的な意見ではありますが、もう少し思い切っても良かったのかな?と思いました。というか、ナナカマド賞が上手すぎたのかもしれません。確かに同型は多かったですし、前半40秒台で流れていたことはありますが、ただでさえ下りてから切れる脚がない馬なのにハンデの軽い馬たちより後ろで障害を切っていては勝つのは難しくなるでしょう。詰まらず歩けるのが魅力なので、先頭で下りてひたすら粘る競馬が見てみたかったです。
ただ、ポルシェと謙一騎手のコンビは好きなので、今後も頑張っていってもらえれば嬉しいですね。

これでヤングチャンピオンシップ出走馬はこのようになりました。()内は2歳馬賞金ランキングです。

北見
①ミチシオ(2)
②ディーホワイト(18)
釧路
①ライジンサン(6)
②トカチヒロ(17)
南北海道
①フレイムファースト(5)
②グランドスターダム(7)
北央
①クリスタルイプセ(9)
②コトブキテンザン(10)
十勝
①ウルトラコタロウ(19)
②アヤノダイマオー(4)

「ヤングチャンピオンシップ」なのに、1位のホクセイポルシェ、3位のスマイルカナがいないというのはとても寂しいです。下剋上があるのが予選の面白さだとは思いますが、予選くらい定量戦でもいいんじゃない?とも思います(負け惜しみ)。

ナナカマド賞は「最もはやい(成長が早い)馬が勝つ」、ヤングCSは(産駒特別も含め)「最も運のある馬が勝つ」、そしてイレネー記念は「最も強い馬が勝つ」。これが2歳三冠なのだと提唱します。

ばんえいオークス(BG1)

そして11レースはばんえいオークス。今年度初めてのBG1であり、「オークス」の名の通り3歳牝馬限定戦です。

1番人気はやはりスーパーチヨコ。黒ユリ賞の勝ち馬です。牡馬に混じって出走した前走のばんえい菊花賞では、残り10m付近で座り込んでしまいました。何とか村上騎手が促し完走しましたが、座り込むのは4回目。しかし評価としては、まともに走ることができればオークスは勝ち負け、といったところでしょう。

座り込むスーパーチヨコ
それを交わそうとしているのがベニサクラ

2番人気はルイズ。この馬もクセが強く、行きたがるために先行して障害を直行で上げ、そのまま逃げ粘るという独特のレーススタイルが特徴です。

ルイズ

3番人気はベニサクラ。黒ユリ賞はスーパーチヨコの2着。菊花賞では寝転ぶチヨコを横目に6着でした。チヨコちゃんまた疲れたの?と言わんばかりの視線でした。

ベニサクラ

その他にも普段Bクラスで活躍する牝馬たちが集まりました。

入場行進曲やファンファーレは北海道警察音楽隊による生演奏でした。生ならではの迫力があってよかったです。ぜひまた来てください!

北海道警察音楽隊による生演奏

レースでは、やはり先行したのはルイズ。1・2障害中間では鈴木恵介騎手がソリの上で座るレベルで抑えていました。そのまま各馬刻みながら行きますが、第2障害の一歩手前、普通ならもう一度刻むところをルイズは直行、そのまま上がってしまいます。2番手で障害をクリアしたスーパーチヨコとベニサクラが追い込みますが、ルイズがスーパーチヨコを0.1秒凌ぎ切りゴール。重賞・BG1初制覇を飾りました。

1番左、逃げるのがルイズ
ルイズがわずかに凌ぎ切りゴール

鈴木恵介騎手の技が光った一戦でしたし、スーパーチヨコの強さも再確認でき、非常に面白い一戦でした。ルイズもスーパーチヨコもファンの多い馬ですが、今回はルイズファンの方々が口取り・表彰式の際には喜びで咽び泣いていました。

口取り

前々からルイズの独特なスタイルは好きで、能力のある馬なんだなぁとは思っていましたが、BG1の舞台でそれが観られるのは嬉しいです。今後の牝馬戦線も要注目ですね!

ルイズ
イチゴの髪飾りと「つきたて」の文字

さて、重賞は年末のばんえいダービーまでありませんね。しかし、ライバルたちがヤンチャンに行っている間に、ホクセイポルシェが平場で活躍してくれることを楽しみにします。
ではでは。

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