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無題

一週間前に電話をした。
「来週遊びに行く」

高齢のおばに、一週間に一度か二度は
連絡するようにしている。
このおばは実質私の母親代わりであり、
めちゃめちゃ大切な人である。

コロナでもう二ヶ月は遊びに行ってない。
(万が一私からうつることがあったら私は自分を殺したくなるだろうし)

来週行くことを告げると、
おばは花を撮りたいと言った。
「めずらしい花が咲いてるから、トモちゃんのあれで、ほら画面の大きいカメラで撮って」
スマホのことだ。
「おっけー!ばっちしまかせてや!」

さてもう土曜。
あっという間に一週間がたってしまった。
今週は講座をしたりネームで更に壁にめりこんだり…

何より雨が続き頭痛が連日ひどかった。

言い訳である。
行こうと思えば全然行けたはずだ。

なぜこんなに自分はクソなのか…さらに痛い頭をかかえつつ今日も毛布にくるまり眠りにつくと
おばが逝ってしまう夢をみた。

汗だくで起きる。

動悸がする。

とりあえず電話をしなければ…

呼び出し音が長い。

「はい?」

でた!とりあえずホッとした。

「今週いけんでごめんね」
「いい、いい!雨でつらいね」

いつもの優しいおばである。

「あ…!花…枯れてしまった?」
写真を撮るって約束をしていた

「うん…。」
のに……

「でもね!来年に期待よ!きれいなん咲くの見せるけんね」

「…そうだね。」
ああ…私は…

「そしたら大きい画面ので、撮ってね」
本当に自分を殺さなければいけないところだった

来年まで元気で必ず、頼む
ほんと花なんぼでも撮るからお願い

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