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大学教授、ゼミ生を連れてアメリカに渡る③~グランドキャニオン編~

≪Episode 10~千尋の谷を下…れない~≫

 2月7日の正午過ぎ,恋焦がれたNAUに無事(とは言えないものの)到着。NAU国際部のスタッフから提供されたランチのフリーチケット(人数分)を受け取った直後に紛失するなんてご愛敬(まぼろしぃ~)。NAU国際部のマリエルさんにもお会いできピザパーティーへ。週末はArizona州の観光名所を巡り,そこでとても印象深かったエピソードを少しだけ(と言いつつ長々と)。

 2月9日(Sun.)は,グランドキャニオン(GC)観光です。昼過ぎにレンタカーで到着し(車での入場は3〜11月頃まで禁止だそうなのでお気をつけて),ネットお勧めの「絶対に見るべき4大名所」のコンプリートを目指します。

 最初の二か所は,ほぼすべての観光客が訪問すると思われる超定番。それらをさっさと片づけ,いざ第三の「秘境」へ。「なんちゃらエンジェル・リム」は車で15分ほど離れており,GCを自らの脚で下るトレイルの出発地点です。

 ただ今の時刻は14時半。高所恐怖症の女子学生二名に車のカギを預け,Wifiも飛んでおらず,どれだけ時間がかかるかも分からなかったので

「30分間隔でこの入り口で待ち合わせましょう。遅くとも17時には帰ってきますね。それまでは自由行動で」

と告げて,計4頭の雄虎が勇猛果敢に千尋の谷を下ります。

 その1分後。幅1メートルほどしかない山道がところどころ凍っているではありませんか。もちろん,フェンスも手すりも一切なく,滑落すれば命はありません。そこで一名が脱落。恐れを知らない残りの若虎と(あまり若くないけど無鉄砲な)大学教員は50メートルくらい先の岩のトンネルまで何とか辿り着き,写真を撮ってゲームセット。トボトボと(いや,腰をかがめてオロオロと)入り口に戻ったのは15時頃。予定より2時間早い帰還となりました。はてさてこの後どうするか?

 あれだけはしゃいでいた若虎たちは干し柿のように並び萎れています。その中で,まだ諦めていなかったのが約一頭,否一人。だって悔しいじゃありませんか。レンタカーでしか回れないところにわざわざ来て,ものの10分でおめおめと(虎だけに)尻尾を巻いて逃げ出すなんて。

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