ピンクヘア、髪を染める
文化祭の期間だけ、髪を染めることを許された高校、上田東高校(今はどうか知らない)。
まるで紅葉が訪れを知らせるかのように、文化祭に向けて生徒の頭部が色づき始める。
高校2年生の頃、初めて髪を染めた。
そこで学んだことと言えば、髪を染めるために一番重要なことはブリーチだということだ。
ブリーチ、ブリーチ、好きな髪色に染める。
男子高校生の健康的な毛髪は、そのぐらい染め辛いものなのだ。
何をしても先輩にシバかれない3年生になり、何色にしてやろうかと思う。
イケてるグループは大体金髪や茶髪にするが、なんかただ染めるだけでは、つまらないなと感じ選んだ色は、ピンクゴールド。
今でこそ有名YouTuberが髪をピンクにしていたり、ジェンダーレス男子みたいな感じで別に普通な印象を持たれるかもしれないが、当時の田舎では髪を染めている人でも茶髪ぐらいだった。
当時、ピンクは女の子のモノだという風潮があったので逆に選んでやろうと思った。唯一無二の髪色になって目立ってやろうと思った。
ドラッグストアへ友達と染髪剤を買い、高校の近くの神社で上半身裸になり水道で染めた。(バチ当たりな高校生たちだ)
結果は思ったよりピンクではなく、ややピンクだった。ただ、放置しまくったブリーチを2回やっているので頭皮の感覚が無に等しく、ショッキングピンクは諦めた。
髪を染めて面白いなと思ったのは、
「髪型や髪色が人に与える影響って大きいんだなってこと」と「生まれ変わった感覚があるってこと」。
人の目線がピンクの髪に行ってるなーってことを、すごい感じるようになって、「どうしたその頭〜」とか大人たちは言い、「おもしろーい」と女子たちに言われ、大袈裟だけど「人は見た目が9割」という本のタイトルがあったが、そのうち7割は「髪」なんじゃないかと感じた。
あとは、ピンクヘアになって気持ちがアガったことは間違いない。美を求めメイクに励む女性、整形したい女性の気持ち、少しわかる気がした。ちょっと変わっただけかもしれないが、自分の気持ち的には、ツルんと生まれ変わった、そのぐらいの感覚だった。
男性でも、髪を染めれば、生まれ変われる感覚掴めるはず。美への欲求をかすかに感じた。
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