トカゲのしっぽ
一瞬の安心とか答えとか、きみが求めてるものわかってるからね。なんの解決にもならないでしょ。だからこちらは普通の話をする。
気の迷いとか、いろいろ大変なんだね。
きみが好きだって言ってくれたから最近文章書いたり書かなかったりしてるよ。
その咳ばっかする癖、どうにかなんないかな。
どうしても(ろくな死に方じゃない)死と直結してしちゃって、どうかわたしより長く生きていて!的なお祈りモードになってしまう。いつか慣れるんだろうか。慣れたくないけど。
「きみ、変だよ」って何回言われたろうか。あんたの方が変だよって理由もいくつもぶら下げて言い返そうとしたけどやめた。
バカにしてるのか呆れてるのか詳細までは分からないけど、こちらを対象にして笑ってるみたいだし、まあ楽しそうだし良いかって。ちゃんとわたしは変ってことにしておいたし、実際に変なんだと思う。「やっとまともなこと言ったね!」って帰り際に言われたこと思い出すとまだ泣きそうになる。
特別ってドキドキワクワクするけど永遠じゃないもんね。結局はさ、こんなふうに文章にするまでもないただの呼吸を日常って呼んでるだけなんだから、きみは特別じゃないよ、普通だよ、日常だよってさ。物足りないけど永遠に続くって感じするじゃん。もちろん絶望感も希死念慮も要素の一つだけどさ希望がないわけでもないし恐怖はないよね、少なくとも。
ガタンゴタトン。コテンってわたしの肩に頭。「世界で2人だけみたいじゃん」ってまたきみに「キモッ!」って言われちゃうようなこと真面目に思っちゃって目の前の窓にうつった2人を見たけどさ、なんだか自分だけよく見えなかった。いや、正しくは想像していた自分はうつってなかったけど汚くて脆くて泥の塊みたいな物体はそこにあったよね。
もしかしたら咳の原因ってわたしが空気汚染してるんじゃないだろうかって、あまりにも真っ直ぐで繊細であったかたいそれと、確かに感じる左半身の重みがわたしをより醜い物体にさせたよ。
夢見る少女A。何も手につかない。
気管支のあたりが、きゅうううっと締め付けられて苦しい。あんたが舞台を勝手に日常とかにしちゃうから、希をてらった世界観とか皆無じゃん。平和じゃん。駆け引きとか茶番じゃん。むしろなんかものすごく傷ついちゃってるだけじゃん。
キモいからって理由で振ってくれよ、もう。
それ以外ならそうだね、「うわ、無理。チェンジ!」とか。
いや、ごめん嘘。いや、でもあながち本気。いやでも、少なくとも汚染しないくらいには変わりたいよね普通に。
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