コロナの全数調査が中止になった件

HER-SYSによる全数把握、中止になりました。



って何のことか分からないかも知れませんが、コロナを医療機関が全員厚労省と保健所に通知するのが取りやめになったのです。正確には都道府県に対応が委ねられたので、私の住む宮城県は中止、東京都は確かまだやってるはずです。宮城県では65歳以上や糖尿病などリスクファクターを持つ陽性者だけを報告します。その代わり、報告された人はこれまでの原則自宅待機から施設待機に変更されました。ハイリスクな人は全員施設に入って貰って、十日間様子をチェックします。一方報告されない人は原則自宅待機は変わりませんが、報告されないわけですから、事実上自己判断に委ねられたのです。



これによって、宮城県では「本日の新規コロナ感染者」って言うのは分からなくなりました。でもこれ、分からなくて良いのです。なぜならこれまでも症状が無いコロナ感染者がたくさんいて、症状があって医療機関を訪れる人は氷山の一角とみられていたので、その氷山の一角だけ数えても意味なかったのです。



幾ら氷山の一角でも、報告する方は大変でした。その日判明した感染者の年齢、氏名、生年月日、住所、検査した日、診断確定日、発症推測日、検査の方法、何のワクチンを何回打ったか、最後に打ったのは何年か、推定感染経路は何か、推定感染場所はどこか等々を全て書かなきゃならない。一人二人なら良いですけど、一時のように毎日5人も10人も感染者が出るとそれはもう、気が遠くなるような作業でした。上記のような情報ですから医者しかやれないのです。毎晩診療が終わってから2,3時間は掛かって入力してました。私のような小さな診療所で数名しか陽性者が出なくてもそれぐらい掛かったのですから、関東のように毎日何十人も陽性が出るとなればそれはそれは・・・。



全数把握を止めたのは医師会と国がグルになってコロナを隠すためだという人がいたら、私ははっきり「そうじゃありません」と答えます。現実に報告する私たち、そしてその報告を受ける保健所がパンクしてしまったから止めたのです。東京都はまだ続けるそうですから、東京の医療機関は気の毒なことです。



くり返しますが、元々症状があって医療機関を受診するのは陽性者のごく一部ですから、そのごく一部を数えても意味ないのです。実際にはあの数字の何倍もの無症候陽性者がいて、その人達はフリーなんですから。



これで日本も漸く欧米と足並みを揃えました。今せっせと全数把握しているのは中国だけです。あれは習近平の三選が掛かっているからやっているので、科学的根拠に基づいたものではありません。



いやあ、疲れた疲れた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?