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【独立リーグ】9月26日 BCリーグプレーオフ決勝ラウンド第1戦

こんばんは、岩国です。

大谷選手の投打の活躍により、今まで以上に多くの方々に注目されているMLBもシーズンはいよいよ佳境。地区優勝やプレーオフ進出チームが少しずつ決まってきました。(応援しているブルワーズはマジック点灯してから牛歩ですが・・・)

日本では、セ・リーグはヤクルト、阪神、巨人が三つ巴の争い。パ・リーグに至っては、ロッテ、オリックス、楽天に加え、王者・ソフトバンクもここへきて元気を取り戻し、四つ巴(っていうのかな?)の争いと、盛り上がりを見せております。

国内独立リーグに目を向けると、四国アイランドリーグでは、総合優勝を決めるチャンピオンシップが開催され、前期優勝の香川オリーブガイナースが7年ぶりの総合優勝を勝ち取りました。

そしてBCリーグでも、先週からプレーオフ準決勝ラウンドがスタート。9月18日に行われた、東地区優勝・埼玉武蔵ヒートベアーズ vs.西地区優勝・オセアン滋賀ブラックスの初戦では、9回から両チームが点を取り合う意地の張り合いを展開。延長12回日没コールドという、歴史に残る熱戦を繰り広げました。

その試合のネット中継を見てしまったワタクシ。「これは自分の眼で見ないといかん!」と、気持ちの高まりを抑え切れず、ちょうどテレビの仕事がないプレーオフ決勝ラウンド初戦をみるため、夏以来の彦根を目指したのでありました。。。雨予報なのに。

では、前置きが長くなりましたが、その試合について、つれづれと。

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9月26日、朝。眠気を振り切って乗り込んだ東京発の新幹線。車中から見える景色は、常に曇り空。初冠雪を記録したという富士山も拝めない。豊橋あたりでは車窓に雨粒。一抹の不安がよぎるが、彦根についた時には雨が上がっていた。

球場入りした段階では、まだグラウンドにブルーシートが敷かれていた。しかし、目立った水たまりはなく、予定通り13時に試合開始で、スケジュールは進んでいった。これも、対策された球場スタッフの方々のおかげ。本当に感謝したい。

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【画像1:試合開始1時間前の光景。ウォーミングアップが終わった滋賀の選手たちも協力して、ブルーシートを外す】

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決勝ラウンドは、西地区優勝『オセアン滋賀ブラックス』対 中地区優勝『群馬ダイヤモンドペガサス』。きょうから、滋賀ホームで2連戦を行い、残りの3試合を来週、群馬ホームで行う。その中で3試合先勝したチームが今シーズンの覇者となる。

コロナ禍となったこの2年、西地区は他地区との交流戦が一切行えなかったため、両チームの対戦は今季初となった。

先発は右腕・菅原誠也。チームメイトのアンダースロー・吉村大佑と共に、今シーズン12勝をあげたリーグ最多勝投手だが、埼玉武蔵ヒートベアーズとの準決勝ラウンド2試合目では敗戦投手になっている。ここは雪辱を晴らしたいところだろう。

しかし初回。その気持ちが空回りしたのか、1番・鹿沼への投球は、高めへの抜け球が続きフォアボール。その後、1アウト満塁とピンチを背負ってします。

しかし、シーズン10本塁打の5番・中道を1球で、セカンドフライに打ち取ると、続く6番・高山は変化球主体のピッチングで空振り三振。さすがはシーズン最多勝。ピンチを切り抜けてみせた。

以降、2回から6回まではわずか2安打と安定したピッチングを展開。7回に降板したものの6回2/3、130球を投げ、5安打無失点。球数の多さが気になるが、先発として十二分に役割を果たした。

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【画像2:BC滋賀・菅原誠也投手】

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打線は1回ウラ。こちらも立ち上がりが不安定だった群馬先発・青柳に襲いかかり、1アウト満塁とチャンスを作る。

ここで5番・松田は、フォアボールあとの初球を狙うも、ファースト正面へのゴロ。本塁併殺で無得点かと思われたが、キャッチャーが送球を弾いてしまいオールセーフ。滋賀が1点を先制した。

続く6番・片山は、追い込まれながらもセンターへ犠牲フライを放ち2点目。外角へ逃げていくカーブにうまくバットを合わせた片山のダットコントロールが光った一打だった。

そして7番・太田。サード正面へのゴロだったが、これをサードがまさかのトンネル。相手のミスにつけこんだ形で、滋賀が初回に3点を先制した。

初回に出てしまった群馬の2エラー。おそらくは、両チーム共に初対戦だったことが影響したのではないか。

お互いに言えることだが、各打者の打球の強さや速さを把握していない状況で、打球への対応が遅れた可能性が考えられる。さらに、試合前にシートノックが行えなかったことで、今日のグラウンドでの打球の速さもわからなかったのではないか。

滋賀の選手のよれば、ここオセアンBCスタジアム彦根はグラウンドが固めで、打球が速いとのこと。通常ならば、事前のシートノックなどで、そういう部分も確認できるが、今回はそれがなかったことで、初回のプレーに影響したように見えた。

準備の重要性を唱えるNPB現役選手やOBの話を数多く聞いてきた。不可抗力だが、今回その準備ができなかったことが、群馬にとって後手に回らざる得ない状況を生み出してしまったのは、不運だったと言えよう。

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【画像3:オセアンBCスタジアム滋賀】

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試合が落ち着き始めた3回ウラ。無死1塁で5番・松田真弥が、ライトへ2ランホームラン。これで、5ー0とリードを広げる。

緩い変化球が多くなっていた青柳に対し、2ボールからその変化球を1球ファール。そのスイングは110キロ台のボールをしっかり引きつけて、引っ張って強い打球を三塁側に放ったもので、ここでしっかりタイミングが取れたのではないか。そして、次の120キロ台の同じような曲がり球を、今度はミスせずスタンドまで持っていったように見えた。

武蔵との3試合、打線が爆発する中で、松田自身の成績は13打数2安打。チームにとっても、自身にとっても嬉しい一発となったのではないだろうか。

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【画像4:ベースを一周する松田真弥選手】

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この試合、特に印象に残った選手がスタメンマスクをかぶった太田直哉。この日の完封リレーを最後まで支えたキャッチャーだ。

プレーオフ準決勝ラウンド初戦では、打撃で大活躍を見せた。捕手にもかかわらず、2盗塁を決めただけでなく、試合をひっくり返された直後の9回裏。先頭打者、それも初球で同点ソロホームランを放った。

直前には自ら投手をリードし、目の前で逆転を許している。それにも関わらず、その裏にはきっちり切り替え、最高の結果を出した精神力の強さと、集中力に感服。彼のこの一発がなければ、今回の彦根遠征は、おそらくなかったかもしれない。

その後の2試合でも打ちまくっている太田だが、今回、目を引いたのは『捕手としての動き』だった。

バックネット裏から見ていたが、打者のインコースを要求する時には、ミットだけではなく、しっかり体ごと打者に寄る。アウトコースではその逆へ。ボール球でいい時には、肩膝立ちになるなど、中途半端なことをせず、しっかりはっきりと投げるコースの意思表示をしているように見えた。

きょう投げていた菅原の制球が良いということもあるかもしれないが、フレーミング も大袈裟なものではなく、ボールを受けたそのコースでミットをしっかり止める。投手も投げやすいのではないかと思うし、何より、審判も見やすいのではないだろうか。

MLBや最近のNPBでは、大きく激しくミットを動かすキャッチャーが増えてきた印象がある中、こういうキャッチャーがいることに好印象を持った。

チームの投手・三吉央起に聞いたところ、キャッチャーは今年から取り組んでいるとのこと。過去資料を調べたところ、昨年まで在籍していた愛媛マンダリンパイレーツでは、確かに外野手登録だった。

捕手1年目でありながら、菅原の145キロ前後のストレートの後に、120キロ台の変化球や110キロ台のカーブを使うなど、緩急をしっかり効かせ、ゾーンの左右もしっかり攻めるなど、奥行きと幅を広く使っているようなリードは、見ていて楽しいものだった。

実際本人に話を聞いてみないとわからないが、四国ILでは、海外遠征組にも入っているなど、打撃面での能力は評価されている選手。今年のドラフトで見つけてもらえるかはわからないが、俊足で長打も期待できる捕手として、今後も注目していきたい。

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【画像5:太田直哉捕手。機会があれば話を聞いてみたい】

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投打が噛み合った滋賀が7ー0と快勝。前回にも感じたが、イベント進行がとてもスムーズなだけでなく、BGMの選曲や、アナウンスのタイミングなど、観客や相手チームへも、かなり配慮されていると感じるものだった。

ここの母体が、来季立ち上げる新リーグ。ご挨拶をさせていただいた黒田代表からは、とにかく現状を打破して、より良いものへという強い気持ちを感じることができた。

琉球とはまた違った新しい流れ。今後、追って発表されていく情報にも注視していきたい。

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