プライマリケア従事者のソーシャルサポート
自分がこれまで関わらせてもらってきた活動(主にオンラインチーム・コミュニティ)について少し考える機会があり、私が関わらせてもらった活動やっていることは総合診療医/家庭医や、それを目指している人たちに対するソーシャルサポート的側面が強いのでは思うようになりました。
総合診療医・家庭医をはじめとしたプライマリ・ケア従事者は、一人診療所や医療・介護資源が乏しい場所で勤務することも多くあり、社会ネットワークや教育、労働環境において比較的孤立しやすい立場にあるとも考えられます。最近読ませていただいた、「健康格差の社会学」の中には「高要求・低制御で孤立的」な労働者の健康リスクが最も高いとする研究を紹介しつつ、職場内での情報共有やコミュニケーションを増やすなどの「職場のソーシャルキャピタルの醸成」の必要性について言及されていました。
https://www.minervashobo.co.jp/book/b595280.html
私自身が、周囲に同じ志や、興味を持つ人がなかなかいない中で研修を行なってきたこともあり、モチベーションや学びの質を担保していくために必要な活動に関わっていたら、総合診療・家庭医療を学ぶ人たちをサポートするコミュニティに多く関わることになっていました。専門医を取得するまでは、研修中の孤立や燃え尽きに関心がありましたが、後期研修を終えた今、また僻地で働き始めたことで、どの世代のプライマリケア従事者にとってもソーシャルサポートや共に学ぶ仲間(実践共同体)が必要だという思いを強くしています。直接会えなくても、せめてオンラインで相談できたり、コミュニケーションをとる余白があることで、明日も頑張ろうと思える時もあると思います。
JPCA若手医師支援部門の一活動として行なっている「指導医力ベースアップ企画(通称:FDGs)」では、先日バーンアウトとオンラインチームの運営をテーマに勉強会を実施しました。その中で、「ひたむきさ」や「誠実に関わろうとする姿勢」がバーンアウトを引き起こす要因にもなっており、家庭医は注意が必要とされている研究も紹介されていました。
私が医学生だった10年近く前(!)と比べると、かなり学習サポートをしているコミュニティや団体も増えてきているので、私が把握している範囲でのアクセスリストを作ってみました。もし必要な方は気軽にアクセスしていただきたいなと思います。(「こういうコミュニティもあるよ!」と情報があればぜひ教えていただきたいです!)
JPCAの若手医師支援部門幹事としての任期も見据えながら、あと数年は自分自身のためにもプライマリヘルスケアに従事する若手医師のネットワーキングをサポートしていきたいなぁと思っております。先日、読書会でも取り上げた吉藤オリィさんのビジョンは「孤独をなくす」でした。オリィさんを見習って自分のここしばらくのビジョンは「プライマリヘルスケア従事者のソーシャルサポートを増やす」ことに設定してみようかと思っています。できることは限られていますが、できることはやっていきたいですね。
プライマリケア関連のコミュニティリスト
・後期研修の困りごと、後期研修中の繋がり:専攻医部会
・JPCA専門医取得〜指導医の活動支援・プロジェクト運営
・専門医部会:
・若手医師支援部門:
・病院総合医チーム(note)
・ポートフォリオ指導をしてみたい/指導を受けたい/周りに研修仲間がいない(専門医の有無は問わない):はっちぼっちステーション
・KOPe:九州地区を中心としたPF勉強会、ネットワーキング
・指導医〜、指導医としてのレベルアップや生涯学習をする仲間を見つけたい(専門医の有無は問わない)
:FDGs(若手医師支援部門FBページを使って活動報告しています)
・家族ケアについて学びを深めたい、事例を相談したい
:ファミラボ
・LGBTqについて学びを深めたい
:にじいろドクターズ
・手前味噌ですが、家庭医療/総合診療の若手指導医が振り返りや日常のモヤモヤの共有、雑談をできる場として「かたりすと」(こちらもFBグループ)というクローズドグループも運営しております。ご興味ある方はご連絡ください!
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