どんな練習をしたら良いのか分からない人への解決策

について。

かるたしてたら、誰だって強くなりたいと思うはずだ。

少なくとも、弱くなりたいと願ってかるたしてることはないだろう。

今日はその中でも良くある悩みについて、考えていこうと思う。


まずは、悩み、そのものについて。
悩み自体は、人間何かしらの希望があって、それが現状では達成できない時に生まれる。
かるたついての悩みなら、

・強くなるために〇〇できるようになりたい、けどその方法が分からない
・強くなるためにそもそも何ができるようになったら良いのか分からない

などがあるだろう。

ではどうしてそのような悩みが生まれるのか?そんな悩みをどうやったら解決できるか?について書いていく。

まず、かるたを始めた頃は、個人差はあれ、基本的にはかるたをすればするだけ強くなっていく。

そのような中では自分の成長も感じることができるが、段々とそのペースは落ちていき、あるところで、自分は強くなってないんじゃないのか?という疑問が生まれる。

しかし実際には、ペースが衰えたり、波の上下動がありながらも確実に成長しているケースは多い。このような選手に対して、指導者の立場からは、目の前の目標だけではなく、後ろを振り返って自分が成長してきたことを実感させるのが解決策として挙げられる。

一方、実際に成長度合いがかなり鈍ってしまうケースもある。そのケースについて考えてみよう。

1. 今の練習内容、練習環境に慣れすぎ、練習強度が落ちる

高校の部活などで良く起きる現象である。まずは自分が強い例を考えよう。例えば周りがC級以下の選手ばかりで、自分が唯一のB級になったとする。すると、自分より強い選手はいないので、負けないことを目標にすると、自分の試合の強度が下がってしまう。

これは意識しなくても勝手に起こってしまう。
これを回避するには、自分と同等、もしくは強い選手と取るか、または意識して試合の強度を上げるしかない。
人と取る場合には、自分が力を抜くと一気に離されてしまうような相手が一番強度が高まりやすい。例えば少し格上との試合、もしくはより格上相手に必死でついていかなければならないような状況である。
意識してあげる場合、よく挙げられる例が、〇〇枚差以上で勝つ、というものである。試合に勝つ、という目標の達成が簡単であると感じるなら、まずは大差で勝つことを目標にするのは良いかもしれない。

逆に、自分の力が弱く、近くに目標がない例もある。
特に、始めた頃は初心者同士でも、実力差がつき始めてしまうと、それを意識して勝とうとしなくなってしまうことが挙げられる。
〇〇ちゃんになら負けても仕方ない、というような考えである。
そうなると、自分の試合の強度が上がらない。具体的な対策としては、先と同様〇〇枚差以内でついていく、少しでも少ない枚差にするなどがある。
しかし、一番大切なのは、相手の実力がわかっているからといって負けても良いと思わないこと、だと考える。
例え実力が離れた相手でも、本気になって勝とうとすれば、なぜ相手に勝てないのか?どこの部分に差があるのか?と考えるきっかけにもなり、練習強度も大きく上がるであろう。

個人的な印象として、中学高校などでA級になる選手の多くは、どんな相手に対しても手を抜かず、格下相手に大勝ちするような印象を持っている。
これを分析すると、対戦相手に関わらず自分の全力を発揮することで練習強度が上がり、高いレベルの成長につながったと考えるが、いかがだろうか。

2. モチベーションがない

これも多くの選手にあると思う。強くなることを諦めたり、目を背けているような状況である。このようになる原因としては、強くなっていく実感が持てずに練習の無意味さを感じた、過去に頑張ってきたけど結果が出る前にやめてしまった、などがある。

1番大事なことは自信を持つことである。
自信があることが目標に対する努力につながり、結果が達成されさらに自信が深まる・・・
このような循環があり、強い選手に自信があるのは自信があったからなのか、それとも強くなったのか、その両方か・・・・・・

という話をしていても自信が湧いてくるわけではないので、具体的な練習方法を紹介しよう。

それは、成長が実感できる簡単な事柄を練習する、である。
具体例としては、大山札を囲う練習などが挙げられる。

このメリットとしては、まず練習がしやすいこと、そして成長度合いが実感しやすいことにある。
試合でなくても、例えば授業中でも、いつでも囲い手の練習はできる。これが1字を早く取る練習なら、数学の演習中にすることはできないだろう。

今上げたのはあくまで、成長を実感するための1つのきっかけとして提案する練習である。
また、かるたの根本に関わる大きな幹ではないため、それだけで勝ち上がることができるようなものではない。
しかし、大きな幹、すなわち暗記力や払い、感じなどの基礎的な分野に関しては、上級になればなるほどその成長度合いはわずかなものであり、実感することは難しい。それを踏まえた上で、まずは小さなことがら、その中でも今まで練習したことがなく、尚且つわかりやすいものから目標を立て、練習して成長し、自信に繋がればと思う。

3. やりたいことが多く、身につくまで練習できていない

1試合ごとに目標はしっかり立てるが、自分のかるたのダメな場所、改善したいところが多くあり、その目標が毎試合変わるため、練習したことが身につかなくなってしまうパターンである。
先にあげた、囲い手の練習、なら意識することも練習することも簡単だが、かるたの幹に関わるような暗記力、払い力、感じ力に関しては、じっくりと時間をかけて取り組まねばならない。尚且つ、その複数を組み合わせた要素が多く存在する。
例えば、敵陣を攻める、ならば、まずは敵陣を右左上中下段払うだけの払い力と、狙った札に関しては素早く音を拾うような感じ力、また他の札も取りこぼさずしっかり攻めるためには暗記の力も必要である。
これだけの要素が存在する中で、果たしてそれを全て意識し練習することなどできるだろうか?

もしこの練習をするとしても、他のことを同時に意識する、例えば自陣の3字の札は手元で待ってしっかり払う、などといったことを同時にはできないだろう。

かるたで練習していることは、多くの要素の組み合わせであって、1つだけでも複雑になりうるのに、それを、あれもこれも、と欲張るとなかなか成長には結び付きづらくなる。
また、意識してできるようになったとしても、すぐにその練習をしなくなればまたすぐできなくなるものであり、やろうと思ったときに「他の何かと両立できる程度の少ない力で」やれるようになるには、まだまだ練習が必要であって、「身に付く」までには「できる」よりもさらに時間がかかる。
そして、この練習は少なくとも月単位でかかるものであり、試合数にして数十試合は同じことを意識しなくてはならない。

したがって、やりたいことが複数ある場合は、それを一本に絞り、集中して練習すること、それも、「できる」ではなく「身に付いた」と実感できるまで練習することが大切と考える。


4. どんな練習をしたら良いか分からない

強くなりたいとは思うけどどんな練習をしたら良いか分からない、どんな練習が自分にとって一番必要なのか分からない、というパターンである。3. のあれこれ手を出しすぎてしまう、と比べると逆に当たるかもしれない。

これの解決策として挙げられるのは「全力で試合をすること」

これが1番だと思う。
そして、このとき、自分の実力が自分と同等もしくは格上、と練習するのが良い。

そして負けたら尚更良い。

なぜなら、負けることが自分の弱点を知るのに一番良い方法だからである。
1試合では十分には分からないかもしれない。ならば、わかるまで全力で、何試合も取り続ければ良いのである。

そして、ただ取るだけではなく考えることも大事である。

なぜ相手に負けたのか?
相手の〇〇の部分に対して自分はどれぐらい劣っているか?優れているか?
負けた原因としていつも共通する部分はないか?

等々、自分のかるたの課題が徐々に浮き彫りになってくるはずである。

仮に自分より強い相手がいなかった場合にも、25枚全ての札を取れるわけではないだろう。
また、自分の取り札をむすめふさほせから振り返ったときに、もっと早く、うまく取れたと感じる札は必ずあるはずである。
もちろん全てを改善しようとするとキリが無いので、何試合かをまとめて振り返り、共通する重要なところを改善していくのが良いと思われる。

5. まとめ

上に書いたことを表面だけ切り取ってみると、

・目標を持とう!
・自信を持とう!
・強い人と取ろう!
・一生懸命取ろう!

といったようなことになる。

なんかありきたりだなあ笑

このようなアドバイスは至る所で昔からされてきたものである。
それは、今まで上記のような強くなるための悩み、原因に対して、それぞれが「それぞれのもつ悩み」の答えを出してきたからだと思う。

今回のように、「悩み」の原因について考えてみれば、表面で切り取ったようなアドバイスは、必ずしも有効で無い場合がある。

人のアドバイスを聞くかどうか、みたいな事柄が最近かるた界隈で話題になったが、個人的には、あまりに一般化しすぎたアドバイスは危険であり、その説明の際には十分な背景が必要だと考えている。

今回は「悩み」の原因として4つをあげたが、上に当てはまらないような事情もまだまだあると思われる。
しかし、4つの原因をあげて分割したことで、原因が分からず悩む人への具体的な対策を記述することができた。

この記事がかるたに悩む人々へ、その解決へのきっかけとなり、また皆でかるたができるようになったとき、皆さんのお役に立てれば幸いである。

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